ムサビ日記 - やまなみ -

この前、１日かけてひとりでいくつかの美術館を巡っているときに。

目的地から目的地へ移動してる時間って、
ただ乗り物にのって揺られてるだけだから、
ものすごく手持ちぶさたになる。
そういうとき、
まぁ色んな人がそれぞれのやり方で時間を過ごすと思うのだけれど、
わたしはなんと言うか・・・考えごとにふけります。

これからどんな作品つくっていこう？とか、
テーマはどうしよう、とか、
主に自分の制作のことが多いのだけれど。

あとは最近人に言われたこととか、言ってたことを整理して、
色んなこととつなぎ合わせたり。

そういうコアな思考？って、
私の場合は家の机の前でじっと座ってても考えられないことが多いです。
一カ所に缶詰め状態だと、気分的に行き詰まってしまう。

でも移動しているときは、一カ所に静止している時と違って
目の前の景色がひたすらびゅんびゅん流れていく、特に電車に乗ってるときとかは。

だから、
その流れる感じに刺激されるのかどうかわからないけれど、
頭の中の風通しがすごく良くなっていく気がします。

あと、目の前の人とか、目の前の用事に追われてると、
もう自分がどんな状況なのか客観視できなくなることも多くて、
もとから客観視ニガテな方なんでだんだん嫌になってきちゃう・・・から、

自分の周り、赤の他人だけ！
誰も知らない者どうしだけ！

みたいな、いったん普段自分が暮らしてる世界の外に飛び出してしまうと、
冷静になれるというか、自分をよりフラットな目で見られる気がする。
俗世間のジブンから幽体離脱〜・・・みたいな。そんな感覚です。

著名な文化人とか優秀な科学者に金沢出身の人が多いのは、
金沢がそういう思索をするのにちょうど良い散歩コースに恵まれた土地だから・・・って聞いた事があるけれど、あぁほんとにそうだよなって腑に落ちます。
散歩も考えてみれば移動のひとつみたいなもの、だし・・・。