西部線から見る朝の公園は幸福だ。
江國香織「泳ぐのに安全でも適切でもありません」の中の
「うんとお腹をすかせてきてね」
が好きです。
17ページくらいの短編で、二人の男女が、それぞれ悩むこともある日々の中で、お互いへの愛と食と性に関しては本当に輝かしく愛し合い満たされている様を幸福に描いている一作。
随所の言葉の選び方も素晴らしい。
初めて読んだ時その幸福感に魅了されて迷わず購入。
以来思い出したように繰り返し読んでいます。穏やかな栄養補給のよう。
昨日とてもつかれた気持だった時に思い付いてバッグに放り込んで出掛けて、ぼんやり読み返した。
うそみたいに幸福な話。
ただただ健やかに動物的幸福を大切にすることは現実にはとてもむつかしそうだ。
この場合そんなことは大した問題ではないのだけれど。
こんな信じられないくらいの幸福が現実に起こったら、と信じられるだけで幸福だ。
ではuto仮眠をとります。おやすみなさい。