道頓堀から24年振りにカーネルサンダースが見付かった日、僕たちは毛布にくるまって遅い朝のニュースを眺めていて、私が見に行こうよと呑気に言ったら君は勿論笑って取り合わなかった。
新宿の早い朝にぽつんとひんやりした僕の手のiPodのなかでは岸田と小田和正が盛り上がっていて、
さっき通った駅には初めて気付く変なビルがあった。
あなたに与えられた言葉を傍らに置く。
自販機のお茶に息をつく人もいれば、音楽で景色を変える歌い手もいて、皆それぞれにポケットに手を突っ込んでいる。
皆それぞれにあたたまるところをさがしている。