夜
明るい窓とその中の人たちの姿だけが闇に浮かび上がる電車が私のいる車窓のすぐ外を並走して行き、
それが眺めている間に闇の中をすうっと遠ざかってあっという間に消えていく、
その情景が好きです。
急に人間という存在が希薄になるような、
それでいて、私も同じで、皆同じなのだという、人間自体の生身を感じるような
なんとも言えない心持。
よく考えると私のような学生の限られた生活環境では電車で出掛けでもしない限り他人を見る機会自体が少ないのです。
でも電車でおとなしくしてるその他大勢に不思議と人間味も感じないという
よくわからない麻痺した関係性、
でもそれで良い。