とりあえず、ドラマの撮影が終了。
皆さんお疲れ様でした。
あとは監督とTD/SW(テクニカルディレクター兼スイッチャー)と音声で詰めの作業、つまり編集に入ります…。
スイッチングも最初は大変でしたけど、慣れると面白かったですね。
あ、でもミスっちゃうとかなりヘコみましたが…。
今回の2日間の撮影ではホントに『どうやって効率的に撮影を進めていくか』がキーポイントでした。
撮影スケジュールの計画(どういう順番で各シーンと別撮りカットを撮っていくか)はかなり念入りにやっておかないと本番で無駄になる時間が多々出てきます。
さらに、撮影自体の流れ(以下、ワークフロー)も考えておかないとさらに無駄になった時間が出てきます。
この無駄な時間は役者さんにかなり負担がかかるので極力減らしていかなければなりません。
まず、作品全体を見て総カット数が多すぎないか確認します。
多すぎるとSWミスを誘発しやすくなります(ホント、連続してカメラを切り替えるとか神業に近い)。
撮影スケジュールも極力、別撮りカットが不要になるように計画する。
今回、3台のカメラが使用できるので、それを踏まえながら計画するといいかなと。
撮影スケジュールが決まったらワークフロー計画です。
とにかく最初にフロアディレクター(FD)と最終判断を下す総監督役のチーフディレクター(PD)を決めます。
FDはスタジオ内のスタッフを統括し、スタジオの準備が完了次第、コックピット(テレビ局にあるあの画面がたくさん並んでいる部屋です、副調とも言う)にいるPDにチェックさせ、PDがFDにリハーサル(RH)開始の指示を出す。
RHと同時にPDは最終チェックをし、後に修正部分の指示・確認をする。
各スタッフと役者の準備が整い次第、本番。
大まかに書くとこんな流れです。
もうちょっと具体的に書くと、
- FDはスタジオにいる役者・カメラ・美術のチェックをする。各スタッフのチェック完了次第それぞれまとめてPDへ伝える。
※この『まとめて伝える』が結構重要。
- PDはコックピットにいる照明・音声・TD/SWのチェックをする。
※ただし、照明に関しては役者がいるRH中でないと光量の調整ができない部分があるのでRH前はチェックを省いてもかまわない。
- FDからスタジオの準備完了の声が届いたらPDは各カメラのアングル確認をする。
各カメラの確認・修正指示が終わったらRHを開始。
- RH後にPDは最終的なカット割り・スイッチングのタイミング・照明・演技などの指示・確認をする。
- 最終確認が終わり次第、収録テープを回し本番。
- 撮影直後、PDは撮影した映像をチェック(ビデオチェック)。
- 問題がなければ次のシーンの撮影に移る。
※NGが出たらPDはすぐに全体にNG・演技ストップ・カットの指示を出す。
※その際、どの部署が原因でNGなのか明確に伝える。
というような流れが理想ではないかと。
FDはスタジオのスタッフの意見をまとめPDに伝え、PDはそれにあいまいな返事をせずにはっきりと簡潔に指示を出さないとスタッフが混乱してしまいます。
また、PDは時計を見ながら撮影スケジュールが押さないようFDに指示しなければなりません。
スケジュールが押してくるとPDはどこで妥協し、どこでこだわるのか、ということがかなり重要になってきますので、その的確な判断力が本番ではかなり問われます。
※この判断はどこまで作品のコンセプトが煮詰まっているかに影響される。
特にビデオチェック後に一部のカットのみがNGになった時はどのカットがNGで、どのカットがOKなのかはっきりさせ、リテイク時にシーンのNGカット部分のみを撮るのか、シーン全体をもう一度撮り直すのか、なども判断しなければなりません。
※この部分はTD/SWが助言するとPDは判断しやすいようだ。
とにかく、撮影はPDとFDを中心に動きますが、PDとFD以外のスタッフも常に全体を見ながら行動しなければテンポ良く撮影できませんね。
いやー、放送局の方々お疲れ様です、はい。