ムサビ日記 - きツネっぱら-

昨日は油の初講評でした…！
いやー！ドキドキしたー！！
大学の講評ってどんなものか分からなかったので、ボロクソに言われたらどうしよう…なんて考えちゃってかなり怖かったです。
でもそんなんじゃなかったです！よかったー！
すごい面白くて、今はホッとしてます。今日の掃除がちょっと憂鬱だけど…。

赤野さんの講評レポがすごく面白かったので、私も真似してみようと思います。
今回のお題は「人間を描く」でした。前半が女性ヌードのデッサン、後半が男性ヌードの油です。
他の教室は女性だけだったりおじいちゃんだったりだったけど、どうやらそれぞれ先生の意図があったようです。
女性ヌードは割と描く機会もあるけど、男性ヌードは初めてで、ちょっと面食らいました。まわりも初めての子がほとんどだったみたいです。
先生がわざと選んだのか偶然なのか？モデルさんはどちらも若くて、私たちと変わらないか少し上ぐらい。程よく筋肉がついているものの細身で、「現代の若者」って感じの印象でした。
普通、ヌードモデルって言ったら、ふくよかな女性かもりもりマッチョの男性を想像しますよね？…私だけ？とにかく、そういったイメージとは正反対のモデルさんで、それをモデルさんと同じような若者に描かせるっていうことに、なんらかの意味を感じました。
…っていうのは私の感想なんですが、みんなそれぞれ違った感想を抱いたみたいです。神秘的、生々しい、柔らかい、グロテスク…などなど。
なんか流れで部屋のライトをつけずに自然光で描くことになったんだけど、光も影も描いてるうちにどんどん変わるし、画面は油が光ってよく見えないし、むしろ私は逆光で手元が暗くてよく見えないし描きづらいのなんの！でも、窓からさす光を上手く描いてる子が多かったし、それはそれで功を奏したみたいでした。

みんな一人ずつ自分の絵の説明をしなきゃいけないらしいとの噂にかなり怯えてたんですが、実際のところは先生が一人一人に「どんなこと考えながら描いてたの？」と質問してくれてそれに答える感じでした。
みんなの前に出て立って喋らなきゃいけないのかと思ってたので、かなーり気が楽に。
すごくびっくりしたのは、みんながみんなちゃんと意図を持って絵を描いていたこと！
絵の裏に隠された意味が、個人的なことから普遍的なことまで。やっぱり絵は作者の話を聞くと俄然面白くなるなあ。
先生のツッコミも鋭くあるんだけど、みんなの受け答えもしっかりしていて、わかりやすい。
そして予備校の講評と一番違うのは、1〜2限をたっぷり使ってひとりひとりじっくり見てくれること！
私なんかいつも「うんもうちょっと早く来ればいいと思うよ」の一言で済まされてましたよ…。長くても1分程度でした。あまりの扱いの違いに感動です。

で、私の番が来たので、上に書いたようなモデルさんの印象の話と、「はだか」をかくことについての考えと、いちおこんなとこに表してみました〜というような話をしてみました。
そしたら、「うん、うん、なるほど。そういうの、面白いね」だってーー！！わーーうれしい！
「プライベートな感じだね」そう、そうなんですよ先生。伝わったみたい！！うれしい！！
そして先生の鋭いツッコミ。「なんでキャンバスの側面を塗ったの？」
キャンバスの側面、つまり絵ではなくて、横です。釘で止めてあるところ。って、油以外の人にも伝わるかな…？
そこは「画面」と違う面なので、画面の外に当たります。
私は単純にそこが汚いのがみっともないから消したかっただけだったんですが、そこを塗ることで半立体としての意味合いが出てくるとのこと。
昔は額縁を使っていたけど、そのうち絵単体になり、絵を飛び出して立体に…って、おお！その話はこないだ一般教養の授業でも習った『フレームの問題』だ！と正に某真剣ゼミ状態。ムサビの一般教養すごい。
なんとなく今後の描きたい方針も見えたような気がして、実りある講評でした。せんせー！ありがとうございますーー！！

「美大の最初の授業は受験絵をやめさせることから始まる」「絵の上手い浪人生は変なプライドが邪魔して受験絵から脱却できない」なんて話を噂に聞いてたけど、
先生は誰のことも否定せず、むしろそれぞれの学生の話と作品に「面白いね」と興味を持ってくれていました。
最後に先生が総評として「例年一年生の講評はうまい言葉が見つからなくて辛いことが多いんだけど、今年はそんなこともなく全体的によかったです」というようなことを言ってくれたのも
私の稚拙な推測ですが、近年の受験の変化も要因としてあるのかも知れません。
みんなレベル高いもんなー。私もみんなに追い付けるように頑張っていきたいです！

…とりあえず、今日のアトリエ掃除からがんばりますｗ