2010年02月06日

哲学、そのほか

通信の教科書で、手をつけていなかった最後の『哲学の冒険』を読み始めた。これが面白い。


哲学の入門書では、読者の人生においてこの学問が寄与できることを説くが、この本もその視点は変わらない。しかし哲学とは何か、物事を考えるとはどういうことか、ということについて読者を挑発する。


学問は世の中の益になることを目指すことは大切だが、学問は学問として真理を見出すことに価値がある。実際、真理なんていつ活用できるかなんて分からないし、実学でなければならないということであれば、美学・美術史学なんて成立しないだろう。


ちょっと話は逸れるが、卒業制作・修了展の若い学生の論文タイトルを見て、企業とか教育とか世の中に寄り添っているテーマが多いことに驚いた。時代は変わったのか、あるいは武蔵野美術大学が特殊なのか。


通信で言えば、前衛芸術運動やシュルレアリスム、世間的にはごく無名の作家論、などのテーマが並んでいる。世の中にとっても学生のその後の人生にとっても何ら寄与しないテーマだが、純粋に興味や関心でテーマを選び、物事を考えている。



哲学の冒険
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Posted by phonon at 2010年02月06日 10:18
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