2009年03月28日

宗教は君を救ってくれない

日本宗教事典 (講談社学術文庫)日本宗教事典 (講談社学術文庫)
村上 重良

講談社 1988-07
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宗教も世につれ、明治維新前後急激に伸びた新興宗教は「病気直し」と深い関連がある。医学が発達していない時代、病気の苦しみはいかばかりであったろう、それをたちどころに直してくれるのだから神様として崇めてしまうのも不思議でないだろう、ということは想像がつく。戦後は、都市化による社会での孤立や生活不安、といったところを糸口に新興宗教は勢力を伸ばした、などということがこの本を読めば分かる。


原始宗教を今に至るまできちんと残している神道、というのも世界の中で特異な存在で、中世以降仏教理論を取り入れたことと無関係ではないし、また天皇家との結びつきも大きいだろう、ということもこの本を読めば分かる。


著者はオウムサリン事件の数年前に亡くなっている、あの事件を見ていたらどのように論評されただろうか。


otoryoshi@gmail.com

Posted by phonon at 2009年03月28日 22:47
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