2009年02月21日

『陰翳礼賛』は面白くない

陰翳礼讃 (中公文庫)
陰翳礼讃 (中公文庫)谷崎 潤一郎

中央公論社 1995-09
売り上げランキング : 1037

おすすめ平均 star
star今こそ読まれるべき本
starデザイン関係者必読
star日本人として

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
考えることがあって、谷崎潤一郎の名著を読み返してみた。感想は、よく分からないしつまらない。この大文豪が子供の頃の風景を懐かしがって書いているので、21世紀に生きる我々から見たらその状景がはっきり思い浮かばないのだ。


お鉄漿(おはぐろ)なんて、今の大学生は見たことないだろう。僕の子供の頃には、そんなことをしているお婆さんがわずかにいたものだが。床の間のある家に住んだこともないよね。
見たこともない聞いたこともないようなものを想像してみても、谷崎が描く陰影の官能を理解することはできない。


この本を初めて読んだのは高校生のときだったか、分かったような気がしたけれど、今読み返して全然分かっていなかったことに今気がついた。


昔を懐かしがるなどということは全く危険である、ということも今分かった。


otoryoshi@gmail.com

Posted by phonon at 2009年02月21日 21:38
トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.musabi.com/blog/mt-tb-musabi.cgi/13695

コメント
コメントしてください




保存しますか?