2007年07月21日
御馳走帖
戦時中に書かれた日記が戦後発表された例はいくらもあると思うけど、山田風太郎の『戦中派焼け跡日記』が話題になったのは何年前だったろうか。著者の死後の出版ということもあり、また当時医学生だった風太郎が東京の身の回りに起こる出来事を率直かつ克明に描き評判となった。
自分の手元にあるものとしては他に、内田百間の『東京焼尽』日記(『内田百間全集』第五巻、講談社)。こちらも当時の様子を詳細に記しているけれど、著者は既に作家として活動していたから、いつかは発表したいと考えて記していたのだろうか。
内田百間の著書には『御馳走帖』(中公文庫)というものがあって、過去のエッセイの中から酒や食物に関するものを蒐めた本で、著者のうるさい好みがよく分かるけど、解説によると出版されたのは昭和21年、「食べる物のろくろく手に入らなかった」頃とのこと。
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Posted by phonon at 2007年07月21日 13:20
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