2007年06月19日
造形文化科目「物理学」
物理学の教科書、アインシュタイン、インフェルト、石原純訳『物理学はいかに創られたか 上・下』(岩波新書)の上巻をとりあえず読んでみた。数式の入っていない本を選んだのは、美大生に対する配慮と思う。だけど数式のない科学の本を読むのは、ガス欠の車に乗るのと同じようなものかな。なぜなら科学は定量的な学問だから。
とは言え、名著として世評の高いこの本にめぐり合えたのは嬉しい。高校の物理では最初、慣性の法則を習うと思うけれど、多くの学生は教師の説明に分かったような分からないような感慨を覚えるのではないだろうか。本書では、ガリレオ・ガリレイが純粋な思考実験からこの法則を導き出したことを説く。物理学科卒でありながら、僕はこれをニュートンの洞察と誤って記憶していた。
分かりやすい本だけに、やっぱり数式が少しはあってもよかったのではないかと思う。定量的なものを文章であらわすのはまだるっこしいし、また微積分法は、紙や火薬や車輪と同じくらい人類の偉大な発明品と思うから。
物理学はいかに創られたか?初期の観念から相対性理論及び量子論への思想の発展 (上巻) | |
アインシュタイン インフェルト 石原 純 おすすめ平均 高校時代に出会いたかった本 観念の世界と現象の世界との関係 物理学はいかに創られたか知る一冊! ノーベル物理学賞・小柴昌俊氏が物理学に目覚める契機を与えた好著(上巻) 物理学は、「人は自由な創作をする存在である」ことを示している Amazonで詳しく見る by G-Tools |
Posted by phonon at 2007年06月19日 22:37
トラックバックURL
コメントしてください
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.musabi.com/blog/mt-tb-musabi.cgi/7956