2007年05月10日

古美術印象における反芻胃

ねこあじさんの日記を見ると、ムサビの学生さんは夏に古美術研究旅行に行くようで、京都奈良を回っているとたしかに先生に連れられた学生を見ることがあり、ふつう学生だったら夏は海や外国へ遊びに行くことと思うけれど、わざわざ神社仏閣に足を運ぶわけで、連れられて来た学生さんはまじめで優秀そうな人が多いように思う。


美術に興味を持った仲間と一緒に、先生の指導を受けながらあちこち回るわけで、羨ましいしそのような旅をしてみたいものだと思う。和辻哲郎の『古寺巡礼』では気の合った仲間と奈良を巡って、法華堂、新薬師寺、浄瑠璃寺などで見た仏教彫刻、建築の印象や興奮を、夜に友人と話し合うところがいきいきと描かれていて、そんな情熱があの本に反映されているのだなと思う。


僕自身はといえば、昼まわったところについて、夜はスナックのお姉さんとお酒を飲みながら話をすることになるけれど、寺の雰囲気や周りの町の風景については話すことがあるけれど、「三十三間堂の本尊千手観音坐像は湛慶晩年の作で...」などと言っても引かれるだけだから、そういったことはスナックに行く前に焼き鳥屋で一人ビールを飲みながら自分の頭の中で反芻することになる。

Posted by phonon at 2007年05月10日 23:09
トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.musabi.com/blog/mt-tb-musabi.cgi/7507

コメント
コメントしてください




保存しますか?