2007年05月05日
小西 『古文研究法』
ここ数日は夜、酒を飲みながら小西甚一『古文研究法』(洛陽社)をぱらぱらとながめて過ごした。お酒を飲みながら学習参考書を読むというのも花がないけれど、ちなみにこの「花」という言葉については388項に分かりやすい説明があり、さらに次項には「わび」「さび」の説明があって二つの言葉の違いが分かるようになった。
このような本を読むのも、自国の古典くらいはそれなりに理解したいという気持ちがあって、とは言え源氏や枕草子を原文で読みたいというほどの野心はなくて、美術館で見る三十六人家集のなんとか切の和歌ぐらいは大意を把握できるようになりたい、という気持ちはある。
この本の最後に、「古典を尊重しないような国は、下等な連中しか住んでいない国だと考えてさしつかえない。ところが、戦後の日本では、古典を軽視することが進歩的であるかのような誤った考え方が横行し、」とあるけれど、いわゆる進歩人が古典を見下すのは昨日今日に始まったことではないし、さらにその後ポップカルチャーが世界を席巻するに至って、状況は小西翁が慨嘆する以上のものになっているようだ。
本の最後の最後、「私がこの本で述べた程度のことを、いま身につけておいた人は、生涯、古典を友とすることができるであろう。」というところを読むと、高校生のとき、きちんと勉強をしておけば良かったと忸怩たる思いがするのだ。
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Posted by phonon at 2007年05月05日 10:49
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