2007年04月12日
清涼寺
5月下旬に京都と奈良に行こうと思ってホテルを探していたら、以前5、6千円で泊まれたホテルが7、8千円まで値上がりしている。世の中の景気が直ったからと思うけれど、ちょっとため息が出た。
京都観光のホームページで5月の情報を見ていたら、ちょうど清涼寺霊宝館が特別公開されているようで、久しぶりに国宝釈迦如来立像を見てみようかという気になった。現代人の目から見ると、法隆寺金堂釈迦三尊像とはまた違った不気味な風貌の像で、学僧ちょう然が宋で摸刻したものを持ち帰ったものであり、仏教彫刻の傑作の一つでもある。
近年、胎内の封入物が見つかって、ちょう然(著名な僧の名前が表示出来ないのだ)が同僚の僧に対して述べる決意の文書もあり、その内容から見るとちょう然はその僧と男色関係にあったようだ(佐々木剛三『清涼寺』中央公論美術出版)。おだやかな学僧というよりは、留学後、愛宕山に五台山を再現しようとした並々ならぬ野心家であることもその文書から伺える。
Posted by phonon at 2007年04月12日 22:46
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