2007年03月23日

目蒲線の衝撃

東急目蒲線でひと駅の目黒不動前に勤めていたのは、SPEEDがまだ小学生だったからずいぶん前のことで、電車は土手の上をのんびりと走っていたし、まだ東急多摩川線などという奇妙な名前に変わってもいなかった。


目黒不動前はオフィス街というよりは住宅街で、落ち着いてもの作りが出来たし、不便な所というわけでもなかったので、ここを選んだ開発担当取締役の意図は当たったとも言える。
ある朝、いつものように目黒駅で目蒲線に飛び乗ると、目の前に身長180cm超のおかまが仁王立ちになっていて思わずのけぞった。


おかまは酔っぱらっているようで、「私、こんな化け物になってしまいました」と大声で何度も繰り返す。すると、座席にすわっている何も関係のないおばさんが「そんなことないわよ、きれいよ」と応ずるのだ。
おばさんは50代半ばくらいで和服を着て上品で、おかまが「私、自衛隊に入ってこんな化け物になってしまいました」と叫ぶと、あいかわらず「そんなことないわよ、きれいよ」と応じるのだ。
おためごかしのようではなくて、同情しているようでもなく、蔑んでいるようでもなくて、素直に話しかけるおばさんの口調を思い出せるし、このような落ち着いた大人になりたいものだとつくづく思った。

Posted by phonon at 2007年03月23日 22:21
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