2006年05月24日

キトラ古墳『白虎』

明日香にキトラ古墳の壁画『白虎』を見に行った。この地域は交通の便が悪いので近鉄橿原神宮前駅からタクシーに乗り、観覧している間は待たしておいた。
壁画はガラスケースに納められていて、ガタイの良い警備員に両側から守られている。暗い照明のなかで間近に見た。壁画のどういったところに注目するのかは人それぞれと思うけれど、虎の前足の掴んだら絡みついて離さないような描写を見て、明日香の暗い森の中でこの虎に捕まってしまう自分を想像してみた。


資料館を出て明るい陽光に照らされて、自分の乗ってきたタクシーを捜したら、運ちゃんは楽しそうに誰かと話をしている。手をあげて合図したけど気が付かない。「おいっ、戻るぞ。」と声をかけたら、小走りでこちらにやって来た。


車中で運ちゃんに、食事をするのにいいところはないかと尋ねると、駅の中の食堂がきれいで良いと言う。駅前に停まって改札口の横の食堂を指差し、こちらはきたないからやめたほうがいいと言った。以前に一度入ったことがあるのできたないだけでなく、おじちゃんおばちゃんがおでんをつつきながら昼間から酒を飲んでいることも知っている。


京都では、京都国立博物館の『大絵巻展』を見た。こちらも大変な混雑で、おじいちゃんおばあちゃんの頭越しに絵巻物を見たけれど、『信貴山縁起絵巻』だけは並んで間近からじっくりと見た。描線の鋭さは図版では分からないと思った。

Posted by phonon at 2006年05月24日 20:59
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