2006年01月28日

『鏑木清方随筆集』

本屋で『鏑木清方随筆集』を見つけて、画家のエッセイ集とは珍しいと思い購入した。四季折々の風物が綴られていて、若い頃の東京下町の花見、横浜金沢八景に暮らしていた時の庭木の丹精、雨が屋根や樋を伝う音の風趣などについて語られている。正月の項では、最近は合理的になってしまって三が日を過ぎるとせわしないというところは、今でも通用して面白い。


日本画についても若干触れられていて、僕なりに強引に解釈すると、洋画は精神性や抽象性を目指したが、日本画は自然、風情、趣を大切にする、というところだろうか。


巻末の書籍案内を見ると、『小出楢重随筆集』が載っていた。本屋で見つけることがあったら、手に取ってみよう。

Posted by phonon at 2006年01月28日 11:00
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