2005年09月14日
決定的瞬間
写真家のアンリ・カルティエ=ブレッソンが「決定的瞬間」という言葉を使ったのは、どういう状況で何を意図しようとしていたのかとふと思った。
アンリ・カルティエ=ブレッソンはフランス人だから最初はフランス語で言ったのだけれど、この言葉が人口に膾炙するきっかけとなったのは、はじめフランスで出版した写真集"Images a la sauvette"の英語版のタイトル"The Decisive Moment"から来ていることが、Wikipediaで調べてみて分かった。
"decisive moment"は17世紀フランスの宗教者の言葉を借りてきたもので、アンリ・カルティエ=ブレッソンはそれを自分の写真スタイルとした。
"decisive"という語を英英辞典で調べてみると、「特定の結果を確実に引き起こす事象」につけられる形容詞ということが分かったが、そうするとわれわれが日常使っている「決定的瞬間」という語の意味とはちょっとずれてしまうと思った。
さらにWikipediaを見てみると、アンリ・カルティエ=ブレッソンのインタビューの一節が載っていて、そこには"Oop! The Moment! Once you miss it, it is gone forever."とあった。そうすると日本語の「決定的瞬間」というニュアンスにぴったりと合う。
Henri Cartier-Bresson, the Man, the Image and the World: A Retrospective | |
Philippe Arbaizar Jean Clair Claude Cookman Thames & Hudson 2003-04 売り上げランキング : 162,376 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
Posted by phonon at 2005年09月14日 06:42
トラックバックURL
コメントしてください
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.musabi.com/blog/mt-tb-musabi.cgi/3722