美大生だけどただの人の子ペロリのリアルな日常を。ペロペロ
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暑い夏の、アツくて熱いセミ事件
これは、たった一匹のセミから始まった、
暑い夏の、アツイ少年達による、熱い思いが交錯した
壮大で壮絶で、少年キラキラロマンがだだ漏れのノンフィクションドラマである。
【第1話 発見】
時は一昨日の朝。
学童保育所の側の木で、まだ羽化していないセミの幼虫が
木をのぼっていた。(セミの殻に幼虫まだ入ってる状態)
それをある少年が見つけ、セミ殻収集仲間を呼んだ。
セミ殻収集仲間はどんどん増え、幼虫は少年達にもてあそばれた。
少年の中でもわりと虫に詳しいY君が、
「カワイソウダカラヤメロ」ト イイ、
幼虫を皆から取り上げて、木の高いところに移動させた。
ペロリが学童へ着いたのは、その騒ぎがおこった後である。
職員さん達が、その様子を事細かに話してくれた。
「きっとその幼虫は死ぬだろうねぇ」という結論だった。
ペロリも同じように思った。
――ペロリは昔、その状態の幼虫を日傘の先につけて(母が)
家に持ち帰って羽化の様子を観察したことがある。
殻を破って出て来た新しいセミは、まだ全身がとても柔らかくて
白と薄い黄緑色と透明でできていて
とにかくもろく、神秘的で、同時に儚い感じがした。
朝までの長い時間をかけてセミの体は茶色になって固くなって
立派な昆虫になって、そのセミは「ジッ」と一声あげて空へ飛んで行った。
―ー今でもその時の事をこまかく覚えている。
あのときの、あの儚くてもろくて、今にも壊れてしまいそうな状態のセミが
あの無邪気で残酷なまでの好奇心旺盛な少年達にむちゃくちゃに触られたかと思うと、
その羽化のタイミングを間違えたセミは
きっとそのまま殻から外に出られずに死んでしまうだろうな、と
かんがえずにはいられなかった。
【第2話 優しさ×怒り】
セミは死んでいた。
そのセミの不幸な死を知ったのは
ある熱い熱い少年達による。
学童のお外で遊んでいい時間に、ペロリはある一人の少年に手招きされる。
「あの高い枝のところのセミの抜け殻とって」
そう、ペロリに命令してきたのは、セミ収集家の一人、Sおん君(小1)である。
Sおん君は、自分の帽子いっぱいに集めたセミの抜け殻を
キラキラした目でペロリに見せてくれた。
とにかく、この彼の瞳のキラキラを消してしまってはダメだ
そう思いたち、ペロリは5〜6匹のセミの抜け殻をとってあげていた。
と、そこへ、1年生のジャイアンこと(ペロリはそう思っている)Kいと君が登場。
Kいと「Sおん、それをよこせよ!」
Sおん「やだよ」
Kいと「かせっていってんだろ!」と、
Kいと君は言い放ったと思ったら、その瞬間、Sおん君の帽子を激しくはたいて
Sおん君の帽子の中身のセミの抜け殻をばらまいた。
とにかくペロリの目には飛び散るセミの抜け殻がスローモーションで映り
ピントのぼやけたところでSおん君の、うわあああ!!!泣 の図が見えた。
(あまりに少年の夏って感じなので背景は黄緑色)
とその途端にKいと君はさらに、とびちったSおん君のセミの抜け殻を
凄い速さで踏みつぶした........!
泣き叫ぶSおん君
それを側で見ていたH君(小1)が、Kいと君に激怒し
それまたものすごい速さでKいと君の頬を平手打ち.....!
ペロリがスローモーションをみているうちに(とめにはいったが無駄だった)
もんのすんごい速さで少年達のドラマが展開していく....
H君のビンタを直球で受けたKいと君は激怒
ペロリの仲裁の手を振り切ってH君をKいと君がおいかけていく
ペロリの後ろでは、泣きに泣いているSおん君を、
Mつき君(小2)とSぐる君(小1)が必死にセミの抜け殻をとってきて慰めている
ペロリはすぐにKいと君とH君をとめなくてはならなかったので
一緒に走り出し、「Kいと君!やめな!」と力の限り叫ぶ
そこにやっと職員さんが参戦
Kいと君とH君は見事に取り押さえられ、Sおん君、Mつき君、Sぐる君を含めた事情聴取に。
野次馬達も教室に戻り、なんとなく無理矢理、
微妙に和解したかのようにみえた5人も、教室に呼び戻される。
・・・・と・・・!
走って行く少年達のなか、突然Kいと君が立ち止まったかと思うと、
その場に泣き崩れた・・・・
校庭は他に誰もいなくなり、
一部始終を見ていたもと学童の5年生の男の子と、ペロリと、泣き崩れたKいと君だけになった。
Kいと君に声をかけても、手は振り切るし、砂は投げてくる。
彼はもともと、自分の非を認めるキャラではない。
とにかく一番怒られて、彼なりに理不尽なまま、謝ったのが気に食わないのだろう
でも、正座体勢でアスファルトに頭をすりつけて、
カメのような土下座のような体勢で泣き続ける小学校2年の男の子を見捨てるわけにはいかない。
色々声をかけて、半ば強引に連れて行くしか無い
「いやぁ〜今のはKいとが悪いっしょ」と無駄な発言をする5年生を黙らせて
Kいと君をひっぱりあげようとしていたらなんと
校長先生が現れた。
セミ関係でもめごとおこしてこうなりました、と
なんともざっくり説明して、校長先生も含めてKいと君をなだめる
そうこうしていると、「ペロリさん!かわります!」と事件を聞きつけた職員さん登場
15分も経ってやっとKいと君は教室に戻って来た。
そしてここからが事件の真相
職員さんの話によると
Sおん君の帽子の中に、あの、羽化しきれなかったセミの幼虫の死骸もあって
Kいと君はその幼虫を埋めてあげたがっていたという。
けれどもSおん君はKいと君の言う事を聞かず、
色んな人に見せびらかしていたらしい。
そこでKいと君はあの帽子パァアーーーーーンッ行動に出たという。
(それにしてもKいと君やりすぎだろ)と思いながら
「そうか、Kいと君だけを叱りすぎたな」と思ったので
お昼すぎにKいと君を捕まえて
「Kいと君、ごめんねKいと君ばっかり怒って。
本当は優しい気持ちでやってしまったんだね。
セミのこと考えてSおん君に言ってくれてたんだね
先生知らないでKいと君ばっか怒っちゃって
気分悪かったねごめんね」くさいことをズラーーーッと
並べてKいと君にあやまっておいた。
そうしたらそれまでペロリに壁を作りっぱなしだったKいと君が
その時はウンだけいって去って行ったけど
その後からすごくなついてきて
今までとはにつかないぐらいベットリ抱きついて来た
とにかくKいと君の非は、全体の8割を占めているけど(笑
この事件の謎は全部解けたし
この事件に関わった一人一人の気持ちが全部キラキラで
とにかく、皆本当は優しい部分もあって、素直なところもあって
なんだかんだまだまだ少年だと思った。
暑い夏の空の下
少年達の熱い思いは交錯する。
どんなに小さいことでも、真っ正面からぶつかって
一生懸命に生きている子供らを見て
なんだか眩しいペロリでした。
今さらながら挿絵、雑過ぎて何か、ごめんなさい。
勢いで書いちゃったんで;;;
投稿者 ペロリ : 2012年08月03日 23:27
キラキラ。うるうる。・・・一生懸命な子供達。
素敵な絵本が一冊できちゃうね!
投稿者 ザラメ : 2012年08月04日 00:07
ザラメさん
もう、そうなんですそうなんです
子供達のキラキラで熱い気持ちが毎日いろんなところで
ぶつかりあっていて、
ペロリは何だかその何事にも一生懸命さが眩しくて羨ましい限りです。
投稿者 ペロリ : 2012年08月04日 06:14
いやあ、ホントに子どもたちのとって必要なケンカでしたねえ。
こういうひとつひとつに丁寧に向き合って、子どもたちの姿をちゃんとに見つめていく作業なんですね、教育って。
自分の子どもたちにもそういう時代があったし、まあ今だってそうなのかもしれんと改めて思いました。
しっかし、ここに親の立場が加味されて、あやまるのあやまらないのという話になると、これまためんどくさいのよ、いろいろと・・・(遠い目)。
いずれにして、も「大人たち」が仲良く連帯して、「子どもたち」をみまもることができればいいよなあ。
ぺろりさんの物語、じーんとしました。有難う。(^O^)
投稿者 ドラドラ : 2012年08月04日 14:15
ペロリさま、こんにちは。
「片方聞いて沙汰するな」って聞いたことあると思います。
ペロリさまと代わって、話を聞いた職員さん、よく分かっていらっしゃる。
子供(に限らないけど)、自分に都合の悪いことは言わないこともあるし、
まして小さい子は話の順番や記憶がすぐにわからなくなりますね。
ほんとに、「夏休み物語」って絵本ができそうです。
投稿者 yukihaha : 2012年08月04日 18:03
むねあつやな。いい職場だ…
投稿者 zoomin : 2012年08月05日 15:58
ドラドラさん
これ、ペロリの物語じゃないです
少年らの物語ですよ・・・
親の立場ってのは本当に難しいですよね
だってその場にいたわけじゃないから
でもそれを言い出すと、世の中の事件とかもそういうわけで複雑なんですよね・・・(何いってんだか)
投稿者 ペロリ : 2012年08月08日 23:21
yukihahaさん
わたしもみみっちぃ喧嘩なら両方の話をきくのですが
何しろ展開が早すぎて血喧嘩になるのをとどめなくてはならんかったので
kいと君の言い分をきけませんでした
これも精進!ですね
投稿者 perori : 2012年08月08日 23:23
zoominさん
むねあつでしょ
zoominがゴボウにラップまいた話もある意味むねあつでした
投稿者 ペロリ : 2012年08月08日 23:24