「新春浅草歌舞伎」1部@浅草公会堂

こんばんは、おくともです。
最後に解説を載っけてみます。初の試み。
本文の太字部分について書いておくので、わからなかったら下にスクロールして解説を参照してみてください。ただ、私もそんなに詳しいわけではないので、あくまで参考程度にお願いします。

今日は浅草に行ってきました。
目的は「新春浅草歌舞伎」!1部、2部とあって11時開演の1部へ。演目は、「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)」・・・ってなんじゃそりゃ?って話なのですが、「傾城反魂香」は絵描きの男の夫婦の話。師匠の名字が欲しくて欲しくて仕方ないのに師匠から断られ、最後には自害しようとします。死ぬ前に石に描いた渾身の作品に奇跡がおき、それをみた師匠が名字をあげることにした、よかったねーという話です。近松門左衛門作。
「弁天娘女男白浪」は私が楽しみにしていた演目でして、、「知らざあ言って聞かせやしょう」と語り出す有名なセリフは小さい時にマネをしていました。題名にもある盗賊の弁天小僧が女装をして、お供の侍のなりをした仲間と武家の娘だと言って呉服屋さんにいくところから始まります。女装して入ったのは言うまでもなく悪事を働くためなのですが、万引きをしたと見せかけ、呉服屋の店員にケガさせられます。ここまでくれば弁天小僧の策略通り。嫁入り前の娘を傷つけたと難癖をつけお金を請求しますが、正体がばれてしまい、居直った弁天小僧は化けの皮をはがし、「知らざあ言って聞かせやしょう・・・」と語りがはじまります。娘から弁天小僧にかわる演技に注目。河竹黙阿弥作。
どちらも教科書に出てくる人の作品なので良い話。私が言うのも難ですが。

おととい、歌舞伎座周辺では着物を着た人が多かったのに、浅草では意外と少なかったかな。渋谷で一緒に乗った女性が着物を着ていたのでもしかして、と思って気にしていたら一緒に電車を降りたので、どうやら目的が一緒だったみたいです。お客さんのお着物をみるのも楽しみのひとつなのですがね。若手中心なだけあって、若い女の子が多かった!私もそのひとりか・・・いや、でも普段着では行かないなぁ。一応、コンサートや歌舞伎の時はスーツ、もしくはそれっぽい服装で行くように心がけています。母が音楽をやっていたこともあり、ちょっとした正装をする機会が多かったのと、生で演奏したり、演じてもらうことをとてもスペシャルなことだと常々思っていて、Tシャツに毛が生えたような洋服はどうも・・・。リラックスしてみたいから、って思うんならいいんだけどさ。映画じゃないんだからねぇと思ってしまうのですが、そういうもんじゃないのかなぁ。バイト先でも時々1年生ともギャップを感じてしまうことがあったり。大学の2年間ですごく年をとった気がする・・・!!イカン、イカン!

今日私が座ったのが3階の一番うしろの席(3等席)で、正直良い席ではないんですが、大向こうさんがいらっしゃる席なんですね。大向こうっていうのは、かけ声を掛ける人のことなんですが、役者さんが登場すると屋号である「中村屋」とか「高麗屋」って声を掛けるんです。あと、「弁天娘女男白浪」の「知らざあ言って聞かせやしょう」の後にあるちょっとした間に「待ってました」と言ったり。大向こうの会があって、会員の方はなるべく足を運んで声を掛けるそう。フリーパスを持っているらしい・・・お芝居のひとつなのでいてほしい存在です。劇場全体が引き締まるし、西洋で言うところの「ブラボー」なので、役者さんの励みにもなります。歌舞伎はあまり拍手しないのは、大向こうさんが声を掛けるからみたいです。ちなみに、女子が声を掛けるのは失礼に当たるので注意。なんでなんだろ?小さい頃、「なかむらやー」と言ったら祖母に口を塞がれたころがあって、今まで理由がわからなかったんですが、ネットで大向こうについて調べていたら女子はダメってことがなんとなくわかり、納得。そりゃそうだ。花火の「たまやー」はいいのかなぁ。気になる。

新春歌舞伎には、「お年玉」という役者さんの挨拶が開演前にあるんですが、今日は中村七之助さんでした。言葉遣いがきれい!また月曜日に2部を観に行くのですが、その日も七之助丈。ラッキーっす。今度は、2階の1等席なので、花道ももっと見えるから楽しみです。今日は、ギリギリ七三がみえるくらいだったのですが、2階なら花道の半分くらいは見えるだろうから楽しみです。

イヤホンガイドとオペラグラスをレンタルしているので、行かれる際は是非!イヤホンガイドは、舞台の解説だけでなく、幕間には役者がファンの質問に答えるコーナーもあり、素の部分が見えるのも嬉しいところ。でも、私のおすすめはDVDや本で予習してから行くがスマートかと。お芝居の途中でプログラムをみて確認するのって、ガサガサ音するし、格好いいもんじゃあない。最近は、題名で検索すればネットでもわかりますからね。お年玉の挨拶の際、携帯でもって七之助丈がおっしゃってました。オペラグラスで舞台美術を観察。平面なのに立体にみえるのってすごいよなー私は絵のセンスのフリーパスを小学校4年生で使い切ってしまったのでね。


人の名前書くのって緊張しますね。
ロビーにはたくさんの蘭がありました。広告代理店とか出版社とか。あとはタレントさんがお花を出されていて、演歌歌手の方など。一般の人が出したらどうなるんだろ?
ではまたー


《解説》

大向こう(本文中の内容は割愛させていただきます)
映画「大奥」での歌舞伎シーンで大向こうさんが大活躍しています。
ただ、大奥の人が声をかけているのが疑問・・・。
余談ですが、祖父も大向こうさんです。特別なにかの会に入っているわけではありませんが。思春期は一緒に行くのが恥ずかしかったです。時々、「あのじじい、頭おかしいんじゃねぇーのかい?」って顔で振り向かれるので。

七之助丈
「丈」は役者さんにつける敬称。
「−さん」でも問題ないとは思いますが「−丈」のほうが通なファンっぽい気がする。他の方はどうかわかりませんが、贔屓の役者さんのことを友達同士で話すときはあだ名か呼び捨て、劇場やその周辺では「−さん」で。あまり詳しくない役者さんには「−さん」で呼ぶようにしています。年配の方は代で呼ぶ方も。「18代目は〜」みたいに。これは人それぞれ。本人の前で呼び捨てにしないようにしていてばいいんじゃないかと思います。って野球の時に思いました。
友達は銀座のラーメン屋さんで贔屓の役者さんの話をしていたら本人がお店に来たというエピソードあり。もちろんガンガンに呼び捨て。気まずそうだけど、うらやましいゼ!

七三
花道で必ずとまるポイント。
花道の長さに対し、7:3の位置のことをいい、役者はここで立ち止まったり、客席後方を振り返ったりする演技をつける。
見得をきるのもここ。歌舞伎専用の劇場だとスッポンがついているので立ち止まる時の目安にするそう。
女方はたちどまってセリフを言って演技をつける程度。

見得
演技の途中で動きをとめ、ポーズをとる歌舞伎独特の演出方法。
見得では、「ツケ打ち」が舞台袖近くで拍子木や板で音を鳴らす。
スッポン
花道の七三にあるセリ
ここのセリから出てくるのは、人間ではない役。ex)幽霊


あ、本文中で説明しすぎてあんまり書くことなかったや。
書いていて気がついたのですが、歌舞伎の鑑賞ガイド的な本は見かけますが、演技の説明をしてくれている本がないなぁ。多分。祖父母が詳しいので彼らが教科書みたいな感じですが、テキストという意味での教科書はみたことない。中学生くらいなら大向こうさんに聞いてもいいかも。私は話しかけていました。大向こうさん、特に会に入っている方はみるスペシャリストです。今でも、まったく知らないフリをして聞きたいことが山ほどある。

投稿者:okutomo : 2008年01月18日 23:43

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