August 13, 2008
相談会で出会った大物有望株の話
「こんにちは。相談会資料です。どうぞ。」
「あ、どうもっス。あの、在校生っスか?」
進学相談会東京会場2日目、展示相談会場入口で資料配布をしていた時に、高校生2人に話しかけられた。
イマドキの高校生男子、というかんじの2人組。制服のズボンは腰履きで、髪の色は明るく、
アンシンメトリーにピンピンとセットしてあり、だるそうな口調と歩き方。いかにもである。
ムサビ希望者ではそんなに見かけないタイプなので、会場では軽く浮いている。
うわー、からまれちゃったぜ。最近の子はわかんないぞ私は。
おきなまろ:「はい。在学生です。」(嘘)
高校生:「え これって、バイトか何かっスか?」
お:「はい? え? 私?」
高:「そうっス。こういうの配ったりとか。」
お:「あ、ええ、そうです。大学が学生を対象にアルバイトを募集するんです。」
高:「へー、そうなんスか。」
お:「え? え? 何でそんなこと気になるんですか?」
高:「いや、だって、やらされてるとかだったらー、やだなとか思って、ね?」
高:「うん、手伝わされてるとかだとさ。」
お:「ははは、大丈夫。希望制のバイトです。大学は学生にお仕事させる時は、ちゃんとお給料払いますよ。
やらされたりとかはないですよ。特に今はお盆の時期だから、実家に帰る人とかは、この仕事はできないでしょう?」
高:「ああ!そうっスね。 え? てことは、実家っスか? 家近いんスか?」
お:「私は実家ですよ。1時間くらいかな。普通くらいだと思いますよ。」
高:「えー? 1時間で近いってのはすごいなあ。オレなんて高校チャリで20分っスよ。」
高:「オレは10分っス。」
お:「ほんとー? それは近いね。いいなあ。」
高:「つうか、ぶっちゃけ時給いくらっスか?」
お:「は? このバイト? なんでそんなこと…。 ムサビ入ったらやってみたいとか?」
高:「あー、そうっスね。ちょっと興味あります。」
お:「じゃあ、今日は作品もいっぱい展示してあるし、先生も大勢来てるから、ぜひ会場じっくり見てきて。
相談も乗ってもらえますからね。がんばってねーーー。」
高:「はーい、じゃ見てきます。ありがとうございまーす。」
高:「どうもっス。」
ふう。
一息。
まあ話の内容的には他愛のないもので。
まっすぐな高校生ですな。
見た目がギャル男風で、口調がDAIGOだというだけで、だまされてはいけないな。
しかし、他にもあちこちにスタッフいるし、在学生相談コーナーとかもあるのに、なぜ私?
それもなぜ資料配布してる私?
いや、もしかしてこの2人、けっこうすごいんじゃないだろうか。
普通、相談会とかに来る受験生は皆、緊張していて、何かを質問する時も声は小さくなってしまうものだし、
自分の受験のことしか考える余裕なんてないし、ましてや資料を配ってる人がどういう身分なのかなんて、
そんなことまで考えが及ばないはずだ。こいつら何者だ!?
会場入口の真ん前で資料配布しているでかい姉ちゃんに、いきなり臆することなく話しかける度胸。
スタッフがどういう人なのかとか、会場や人をよく見ていて、そのことについて考えをめぐらせる冷静さ。
本当に高校生なのか?
まさか他の大学かなんかが高校生のふりして送り込んだ大人のスパイじゃないだろうか。
いや、そんなはずはないな。やたらとお肌がつるつるだったし。本物の高校生だろうな。
すごいなあ…
大物が現われた。
絶対ムサビに来てほしい!
その後、彼らは会場にずいぶん長く居たようで、一度、某学科の先生に熱心に相談しているところを見かけた。
学科科目の相談コーナーにも居たという目撃情報もあった。
かなりの熱意だ。まじめな高校生なんだ。
時間が経ち、私はシフトによって、次の持ち場の中央広場脇の案内コーナーへと移った。
そこへ、帰るところの彼らが広場を通りかかったので、手を振ってみたら、こっちへ寄ってきた。
お:「ムサビへ入って、一緒に大学のバイトしようよ!」
高:「時給いくらっすか?」
お:「…やっぱりそこなのね。わかった。その熱意にこたえて教えてあげる。
時給は●円。昼食代もつく。こういうジュースとかの差し入れも頻繁にあって、最後は打ち上げもある。
なにより他の色んな学科の友達ができるし、とっても楽しくていいバイトだよ。魅力的でしょう?」
高:「おおおー、いいっスね。やりたいっスね。 え? 何年生っすか?」
お:「何? 私のこと?」
高:「はい。」
お:「え… あの… 実はね、さっき学生って言ったけど、実は研究室スタッフです。えへ。」
高:「はあああ? 何なんスかあーー、サバ読みじゃないっスかあー(笑)」
お:「だって他のバイトはみんな学生なんだもん。私も外向きには同じ学生ってことで仕事しないとね。条件も一緒だし。」
高:「なるほど」(素直!)
お:「そういうわけで、私は来年はいない可能性もあるけど。」
高:「ええーー? 何で? そんな、寂しいこと言わないで下さいよー。」
お:「ははは。わかった。私も来年居られるようにがんばるから、ふたりとも一緒にバイトできるように、
ムサビに来れるようにがんばって! 絶対だよ。待ってるから!!!!」
高:「はい。がんばりますよ!!!」
お:「じゃあ、またね〜。」
高:「どうもっス。」
ムサビで、行事に関わる仕事をすると、毎回必ず何かを考える機会に出会う。
それは外部の人だったり、内部で起こった出来事だったり、様々。
今回、一番といってもいいくらい、私の中で大きかったのが、彼らに会ったこと。
二人がこれから、本当にムサビを受けるかはわからないけれど、
私と話したことが、なんらかのプラスになればいいなと思う。
私にとっては、本当にプラスになったよ。
元気もらったよ。
まっすぐさを忘れちゃいけないって、教わったよ。
だから学校バイトはやめられないね。
例え暑くてきつくても。
その日から、私はDAIGOのポーズをとりながら、がんばって相談会エクササイズを乗り切りましたとさ。
これからもがんばるぞ。
ありがとう!
竹林兄さん、
彼らに本当の時給を教えてしまいましたが、それは問題ないと思います。
当日は私は、マウTを着ていて、こぎれいな格好をしていたから、その姿からは、
まさか相談会前後が、作業着で汗まみれのブートキャンプだということは、さすがに想像つかないはずです。
案内や資料配布だけだったら、おいしいくらいの時給ですもの。
来年のバイトの、有望な候補が出てきましたね。
若くてエネルギーに満ちあふれてて、でかくて力のありそうな、元気でまじめな男子2人でしたよ。
ふふふ。 働け若者! 稼げ若者! そして青春するんだ若者よ!
okina_maro@hotmail.com
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