July 16, 2008
母ちゃんの話
私の母は、私以上に暑さに弱い。
休日だった昨日の夕方のこと、昼寝から起きた母が、か細い声で私を呼ぶ。
隣の部屋へ行ってみると、タオルケットにくるまった母がうなっていた。
母「なんかねー、あたまいたくて、さむけがして、きもちわるい…」
私「さむいの? 今暑いよ? 汗かいてんじゃん」
母「うん、冷や汗かも。 ごめんねー ごめんねー ごめんねぇぇー」
私「ごめんねって何、謝ることないでしょ、寝てなよ、なんか飲む?」
母「いらない… それより夕飯たのむ。今日のメニューは… っうっっ…」
私「いいよ、食べ物のこと考えるときもちわるくなるんでしょ、てきとうにやるから」
母「ごめんねー ○○(妹の名)には伝えないでー 心配するから」
私「はいはい。わかったよ。なんかあったら呼んでね」
母「うぅっっ(涙)」
はいはいと言いつつ、仕事帰りの電車内であろう妹にメール。
お母ちゃん暑さにやられてのびてるから、一応なんかさっぱりしたデザート系買ってきてくんない?
冷蔵庫をあけ、中のものを見て、母がいったい今晩どんなメニューにしようとしていたのかを推測。
卵豆腐、生もずく、白菜漬け… このへんはほぼそのまま出せばよかろう。
あとは? 豆腐?これはみそ汁か。わかめも発見。
それと、鶏ひき肉?紅生姜?桜でんぶ!!!なるほど、そぼろ丼だなっ!!!
白飯を炊き、まああとはてきとうに作って、そのうちに妹が帰って来て、祖母と3人で夕食。
そのうち父も帰宅、どーんと丼を出し、まあビールでも飲みねえ、といいながら、最初の一口をちょっぱる。
まあその後もこまこまと家事をしてたら、母がわりとはっきりした声で私を呼ぶ。
母「さっきよりだいぶいいかも。おなかすいた…」
私「やめとけ。てか、そぼろ丼4人分しかつくってないからもう無いよ。一食くらい抜いたって死なねえ死なねえ」
母「えーん」
私「…。 ぶどうゼリーとモナカアイスがあるけどどっちがいい?」
母「どっちも☆」
私「どっちかにしなさい」
母「ちぇー じゃゼリー☆」
私「はいよ」
なんというか、子供の頃は、母親というのは完璧な存在だと思っていたんだよなあ。
しかしいざ大人になって冷静に見てみると、うちの母ってけっこうズレてる系で。つうか天然?ド天然?
自動改札機はうまく通れないし(それで機械に対して文句言うし)、
車の後部座席に乗ってるのに、「こっち行ってあっちにまがって向こう行って」と、代名詞と指差しで道案内するし、
なんか、自分の動きに物の配置が合わないとか言ってよくいろんなところにぶつかるし、
私が大学院受かった時、「おめでとーう!でもうち今お金ないけどいいの?」とか言うし(最初から奨学金で行くつもりでしたけど)、
ほんと、天然ドリフみたい。そのくせ気が短いところは、私、そっくりだし。困ったもんだよ。
お互い強く生きねばならんね。
ま、でもその夜は、録画しておいた嵐の宿題くんを見て一緒に死ぬほど笑い、平和に就寝。
今朝、ぼーっと目覚めると、母がお弁当箱を私に差し出す。
母「昨日はいろいろありがとう。お礼といってはなんだけど、最近食欲が落ちてるとか言ってたよね?
これ、そうめん。よかったらもってって。おかずは適当に買ってたべてね。」
私「まー じー でー !?」
お弁当箱に、ゆでて冷やしたそうめんと、ラップにくるんだ生姜とオクラ、
小さなペットボトルにめんつゆ、そして保冷バックに保冷剤…
うわー …
なんか、自分の母ちゃん相手に胸きゅんな朝でしたとさ。
もちろん、昼食時は食欲低下なんて忘れてぺろりとたいらげましたとさ。
ごはんがおいしければしあわせです。
okina_maro@hotmail.com
水分が多い食物を弁当に入れて食あたりにならないおきなまろ家はどんなことがあっても生き延びていけるのであろうな。見習いたいぞ。
una-pinaさんはいかで苦しまれたようだが、タンパク質の入っている魚と、でんぷん質のそうめんと、勝負はおきなまろにありですな。
一応、保冷して持って行って、すぐ冷蔵庫に入れたから、あたる可能性は低いとおもいますけど、
でも私、中国の露店で桃を買って、そのまま服で軽く拭いて皮ごと食べて、なんともなかったので、
けっこう腹は強いんだと思います。勝負ありですな。
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