June 06, 2008
悲しくも得意な絵
おきなまろ、高校の頃から、絵が下手なのがコンプレックスだった。
デッサンで評価が高かったのなんて、大好きな幾何形体の時以外にない。
大学に入ってからは、デザイン系で理論系ともなると、学年が上がるごとに絵をかかなくなる。
なので、みんな絵がへたっぴ。 それを笑いに変えるべく、絵心ゲームをよくやったものだ。
お題を出して、記憶をたよりに、その絵をみんなでそれぞれ描く、というやつ。
ミッキーマウスとか、サザエさんとかが、ありえない物体になるのがおもしろいのだ。
美大生といっても、そんなものだ。
私は、絵心ゲームではいつも優等生だった。
上手くかける方の優等生ではない。とんでもない方向へ行って爆笑を生む存在である。
「ピングー」というお題で、オバQを描き上げたという実績の持ち主だ。
どういう経緯でそんなことになったかというと、
まず、ピングーといえばペンギン、ってことで、つるっとしたシルエットの
輪郭をかいてしまったところが間違いだったわけ。ピングーは首がくびれてるのが正解なのに。
そして、確かくちばしのところが、けっこう厚かったなと思ったのが、たらこくちびるになった。
目はぱっちりしてたっけ、なんて思って、でっかい目にしちゃったのね。
それで足を適当にかいたら、あと毛が3本ないだけのオバQになっちゃったというわけ。
こいつ↓がそれを忠実に再現した絵である。
ナイスでしょ?☆
そんなある日、わりと最近のことだが、「嵐の宿題くん」という番組を見ていて、
その日のゲストが絵が下手なことがコンプレックスだということで、
ゲストと、一番絵が下手な櫻井君と、絵が上手い大野君で、絵心ゲームをするっていうコーナーがあった。
よっしゃ、名人の私も参加してやれ、と思って、紙とペンを用意。
お題は「バッタ」。ふむ、生き物系で来ましたか。
ゲストと櫻井君は、やっぱりとんでもない絵になってて爆笑。
で、上手い例として大野君の絵が出されたけど、意外にも私は「甘い!」とTVに向かって叫ぶことになった。
どう見ても、本当に私がささっと描いたバッタの方が上手いのである。
一緒に見ていた虫大嫌いの妹がマジで引くほど上手いのである。
なぜでしょう。
それは、バッタをガン見して描いた経験があるからです。
うちの母は、挿絵の仕事をしている。母は極度の虫嫌い。
写真で見るのも絶対にだめ。虫が載ってる図鑑は閉じてあっても触らない。
そんなだから、ごくまれに虫を描かなければならない仕事が来ると、私に下請けに出す。
プライドとかいう問題など、虫を前にすればどうでもよくなるらしい。
私だって、決して虫が好きというわけではない。
ゴ○なんかが出ようものなら、憎悪に満ちあふれてきて、恐怖心を感じつつも退治へ向かう。
けれど、仕事を断れない母のためには、引き受けないわけにはいかない。仕方ない。
バッタを描いたのは、とある小冊子の、ある地方の自然の紹介ページで、
周辺に生息する生き物や植物をいろいろ載せるという部分。
草花や鳥などは母が担当したが、虫の絵は数点、私に回ってきた。
この時は、なんと水彩でカラーでリアルに描けっていうんですよ。
うわー、水彩なんてまともにやったことないっつーの。
しかもカラーかい!細密かい!それで虫かい!地獄だね。
でもがんばった。
その時のバッタの絵がこちら↓
虫が嫌いな人はとばしてね。
©おきなまろ
なかなかのもんでしょ? やればできるじゃん私。
人助けと思って本気だせば、意外とできるもんじゃん。
で、この時がっつり見た経験があるから、バッタは上手に描けたわけだ。そゆこと。
絵心ゲーム、初の本当の優等生! いえい!!!
他にも何種類かのトンボやキリギリスを描いた。
そして、私の嫌いなコオロギまで↓
©おきなまろ
うわぁぁぁ〜〜、気持ちわりい〜〜!!
よくこんなの写真じっくり見てかいてたよなあ。
でもまあ、このときはまだよかった。
園芸本の、害虫シリーズを描かなければいけないときが一番最悪だった。
モノクロだったのだけど、対象は、カタツムリやナメクジ、てんとう虫、カナブン、
そして、私が大大大嫌いな、イモ虫や毛虫まで!
ほんと、この時は涙が出た。何が悲しくて、毛虫の写真を図書館で探してんだか。
不思議と、作画中は、気持ち悪いと感じる度合いは半減する。
むしろリアルさを追求して、スクリーントーンを削ってカナブンの光沢や
ナメクジのテカリを再現することに全力を使ったりしてね。これぞプロ意識。
でも、ひとたびそれを提出して、本になってページを開いた時、
ぎゃっ!となって、おもわず閉じてしまった。
きもいよ!きもいよ!
ほんとにこれ、私が描いたんかい!?
美大生なら誰でも、こういう絵は得意だという分野がそれぞれにあるだろうと思う。
でも、私の場合それは悲しいことに虫なのだ。
ちっとも好きではない虫なのだ。できれば関わりたくない虫なのだ。
今でも、ナメクジが嫌いと話していた人の前でさらっとナメクジを描いたら、
あまりにもリアルすぎてマジで怒られたりしている。 損ばっかりだ。
もっと、素敵な絵をかけるようになりたい。
切実だ。
okina_maro@hotmail.com
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