June 25, 2007
人生設計の話
高校時代の友人から、2月に子供が生まれるという連絡が来た。
別の友人の子は、去年私の両手の平サイズだったのに、
久々に会ったら米袋よりも重くなっていて、チョロチョロ動いている。
少子化なんてうそだろうと思うほど、私の周りは朗報だらけだ。
私くらいの年齢になると、ムサビの中にいては、まず無い会話が、
外では当たり前に繰り広げられる。
女たちは一様に焦り、男までもが結婚の話題を口にする。
正直、異世界だなと思う。いや私が異星人なのか。
そんな中にいてもフヨフヨとしている私を、皆は理解できないらしい。
そもそも、この安定志向のなさは、私の性格の中核をなしている。
美大で大学院へ進学したことでカタギの道を捨て、
教務補助になったことで、足を洗う選択肢も捨てた。
ここまでくると、この歳で安定できるかばかやろーとマジで思えてくる。
むしろ人生設計があると、少しでも外れることが恐くて前へ進めない。
1年先もわからない方が、かえって心おだやかに暮らせるのである。
この性格は遺伝だろうとも思う。
ウチが貧乏なことを知っているのに美大へ行くと決めた私に疑問を持たぬ父。
私の大学進学はどうなるの?という一般的な責めや恨みが一切ない妹。
大学院合格を手放しで喜んでくれたと同時に、今のとこはお金ないよと言う母。
救いようがない。
こんな私に一般的な結婚観などをなぜ訊きたいのかわからないが、
昔の友人たちと会うと、そういう話が出ない時は滅多にない。
だからさ、こんな私と同じような生き方を出来る人なんて少ないんだよ。
希少種ですから。もう自分でわかってる。
それをふまえて言うならね、私はアーティストや職人がとても好きだ。
私は専門が理論系だけど、基本的にはものづくりの人だからね。
手先が器用じゃない人とは気が合わない自信があるよ。
それでね、なんか家を工房にしちゃったけど明日からどうやって
生きていけばいいんだろう〜とかいうアホな人と一緒に、
1年先もわからないまま、バカなことで笑いながら1日1日を楽しく
暮らしていければ、こんなに幸せなことはありませんですよ。
ほーら、訊かなきゃよかったとか思ってるね。リアクションに困るんでしょ。
とりあえず、本気で心配してくれてる人の為に目標を立てよう。
早いとこ、親のすねかじりから卒業する。
でもまだまだ大人にはなれない。
okina_maro@hotmail.com
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