April 28, 2007
忙しすぎたこの2週間で思った事
掲示を見なさい!
ここ数年の学生はマジメになったと、先生たちがよく暗い顔で話している。
出席者数が減っていかない、朝からの授業もキッチリ来る、と。
喜ばしいことではないか、と思うだろうが、どうもしっくり来ないのは、
美大という環境においての、キッチリさの問題。
私は時間になあなあなのは嫌いだが、それでも5分後行動ムサビ時間の
構図が崩れてきている現状に、いささかの不安を覚える。
全部の授業にキッチリ出てるだけで何かを得ようとしているなら
それは間違いじゃないか。「大学」という特殊な環境にいる意味がない。
ムサビは、休講や教室変更を、1号館や各研究室の掲示板に掲示している。
ムサビジョンの個人ページでも見られるのだけど、履修登録直後の現在は
まだ見れない上に、年度始めで教室変更が多発するため、
一応、人道的配慮として、我々スタッフが該当教室に板書連絡に出向く。
そうすると、驚くべき光景が待ちかまえている。
大教室に、所狭しと学生たちがひしめいているのだ。
掲示してあるのに、見ないで何の疑問も抱かずに来ているのだ。
こちらが忙しくて板書に行けなかった教室を、40分後に通りかかったら、
まだ多くの学生が待っていたこともある。
何なんだこのオソロシイ状況は!?
疑えよ! 疑いのもとに何かしら動けよ!
マジメなのはわかる。目的の教室へ脇目もふらずにキッチリ向かい、
きちんと待っているのだろう。掲示板にも寄らずにまっすぐに。
でもここは大学。自分の教室にいて待っていれば先生が来るという
今までの小中高校時代とは異なる。
自分で環境を見て、自分で判断して動かなければいけない。
自分の過ちに、人に文句を言っても、相手にしてはくれない。
大人なら当たり前のこと。そう思うのだけど、
私はまだ普通に体罰なんかもあった時代の人間なので(今その是非を
語ることは避けるが)、至れり尽せりの「生徒様」になりつつあるという今の
教育の現状を知らない。だから簡単に結びつけるのは早計かもしれないが、
その感覚のまま大学教育を受けようとしている学生たちがいるなら、
大変にまずい事だと思う。
教育機関はサービス業ではない。
大学は、全て大人の事情で動いている。それに振り回されてはいけない。
誰も手を差し伸べてはくれない。なぜなら、みんなが同じように、
自分を生きることで精一杯で人のことを見てる余裕なんてないからだ。
自分のことは自分で考えていかなければいけない。
それでなければ、「大学生活を自分らしく」なんて生きられない。
休講と板書されたのを見た時、「えーーーっ!?」と言うのはやめなさい。
「やったー」、「工房戻ろー」、「どこ遊びに行く?」、「飲み行こうぜ」
という方向へゆくべきです。
そういう「機転」が、4年間のムサビ生活を充実させる秘訣のうちの、1つ。
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