2009年05月13日のアーカイブ

小説::手羽殺人事件 10号館

ミステリーブログ小説
手羽殺人事件「猫は見ていた -魔の80周年-」 第10話

前回まではこちら
第1話 1号館
第2話 2号館
第3話 4号館
第4話 5A号館
第5話 5B号館
第6話 6号館
第7話 7号館
第8話 8号館
第9話 9号館


<あらすじ>

2009年芸祭直前、手羽室長が殺された!

調査に乗り出した竹林とminxの2人は、
途中、二手に別れたが、その直後minxに悲劇が襲った!

何も知らない竹林は調査を続けるが・・・

さあどうする!?どうなる!?

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竹「えーと10号館202・・・202・・・・あった!」


竹「(コンコン)」

学生A「はいっ」


竹林が教室のドアを開けると、学生たちが一斉にこちらを向いた。


竹「あの〜ココって小泉ゼミの教室で合ってます?」

学生A「ハイ、そうですが・・・?」

竹「ちょっともずくさんに用事があったんだけど・・・いないようですね。えーと、また来ます!」





も「あのー、いるんですけど


竹「えっ???あー!いたのか!まっっっっったく気付かなかったよ。ごめんごめん」


も「大丈夫です。未だに空デの同級生に『何科ですか?』って聞かれるし。なんでだろう?透き通るように美しい肌をしているから、凡人には透明感バツグンのワタクシが見えないのかしら?」


手羽室長だけでなく、もずくもKYであることが判明した瞬間だった――。


竹「・・・・・で、今ちょっとだけイイ?」


も「はい、大丈夫ですけど・・・竹林さんが訪ねてくるなんて、どうかしたんですか?」


竹「うん、ちょっと聞きたいことがあってね・・・」


竹林ともずくはゼミ室を出た。


竹「ごめんね急に。何かゼミのみんなで話し合いしてたの?」


も「いえ、『LIVING ART in OHYAMA Competition 2009』に参加した時の思い出写真見てただけなんで大丈夫です。」


竹「そうか。いやぁ実は・・・かくかくしかじかでね・・・」


も「え・・・まさかそんな・・・何言ってるんですか(笑)」


竹「嘘じゃない、本当なんだよ。僕もまだイマイチ信じられなくてね。」


も「そんな・・・!あたし、手羽さんのこと好きだったのに・・・!ううう(涙)


竹「えっ・・・もずくさん、そうだったの・・・? それは、何と言っていいか・・・」






も「いや別にフツーに嘘ですけど、一体誰がそんなことを!?」


竹「えっなにその無駄な嘘!超不謹慎!超KY!だけどまあいいか・・・それが、まだ真相は謎に包まれたままで・・・ところでもずくさんは昨日何してたの?」


も「え?まさか私のこと疑ってるんですか!?竹林さん最低!このアフロ改めPINGPONGの窪塚のようなヘアスタイル野郎!!長!」


竹「短く言うなら公然猥褻カット☆・・・ってそうじゃなくて、昨日何してたのか教えてよ?」


も「えぇー・・・えーと昨日は・・・朝からお昼過ぎまでずーっとゼミでしたよ。」


竹「ほう。じゃあその授業が終わった後は?」


も「ゼミの友達と2人で小泉先生デザインの『tocoro cafe』に行きました。そのつながりで、カフェのオーナーさんが金曜3限の空間メディア論に講義しに来てくれたこともあるんですよ。」


竹「へ〜。カフェオーナーの授業、面白そうだね。僕もそのカフェでまったりしたいなー。入学センター忙しいんだもん。」


も「忙しいっていう割に、よくアフロかぶってフラフラ遊んでるじゃないですか」



竹「アレは別に遊んでるわけじゃ・・・じゃ、じゃあ昨日はずっとそのお友達と一緒だったの?」


も「はい、ずっと一緒・・・あっ」


竹「ん?」


も「そういえばカフェに行く前の2、30分、一人で9号館1Fの進路情報スペースにいましたけど。就活がうまくいかなくて・・・」


竹「そっかー。でもあきらめなければ、きっと道は拓けると思うんだ。過去は変えられないけど、未来は自分で変えてゆくことができるから。


も「・・・・・あなたはネ申ですか?(感涙)」


竹「いやいや、でも本当にあきらめないことは大事だよ。・・・じゃあ僕はそろそろ失礼するね。」


も「ハイ!なんかありがとうございます!がんばります!」




竹「基礎デって確か4階だよな・・・」




竹林は知らなかった。
この時もずくが不適な笑みを浮かべていたことを――。


つづく。

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こんな感じでしょうか?
いや〜これ時間かかりますね・・・!

空デメンバーが更新してくれて嬉しいもずくでした。

ではまた。