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道端に咲く赤い花という名の少女の話
「ミラル」という映画を観ました。
道端に咲く赤い花のことできっと誰もがみたことがある、というキャプション
で始まります。
パレスチナ生まれのジャーナリスト、ルーラ・ジブリールの自伝的物語。
1948年イスラエルがパレスチナに侵攻し、エルサレムには戦災孤児が溢れるようになり、ヒンドゥ・ホセイニは私財を投げ打って孤児院を建てる。ヒンドゥは愛と教育こそ暴力に打ち勝つものという思想のもと、子どもたちに接するのだけど多感な少女期のミラルはイスラエルから受ける不条理な暴力に耐えられず、自らの意志で行動していくが、というストーリー。
紛争が背景ですが悲惨なシーンも最小限、シュナーベル監督らしい詩情がある画面が堪能できます。
ラストはミラルがヒンドゥの思いを受け継ぎ、暴力ではなく言論の力で社会を変えるべく
ジャーナリストをめざし、イタリアへと留学するというもの。
紛争の中でミラルが受ける心の傷は17歳では耐えきれないものもあったろうけれど
恩師ヒンドゥや家族から注がれる愛や慈しみが彼女を支えたのですね。
従兄(パレスチナ人)のガールフレンドのリサはイスラエル人で
最初は反発していたのだけど次第に打ち解けて家へ遊びに行ったりする。
でもリサの父親はミラルがパレスチナ人だということで露骨にイヤな顔をする。
「パレスチナ人はみなテロリストだと思ってるのよ」とリサは言う。
昨年、アフガニスタンの元国会議員マラライ・ジョヤが来日して講演を聴くことができたのだけど
「教育は大切。自分を尊重できるように。他人にも自分にも人権はあるのだと自覚できるように」
と強く言われていました。
アフガンは紛争の影響もあって原理主義者による女性への弾圧が強い
パレスチナは性差別はあまりないように見受けられたけれど
とにかくイスラエルからの迫害がひどい。
監督はユダヤ系の人だけどその辺はきちんと描かれていました。
省いたけれどミラルのお母さんと、伯母さん(お父さんの姉)の人生は
また壮絶です。映画としては面白いので機会があればぜひどうぞ。
ミラルを演じたのは「スラムドッグ$ミリオネア」に出てた
フリーダ・ピントです。
イランが核開発をしている(根拠がまた怪しそう)とEUやアメリカによる制裁措置が
取られてしまった。
ホルムズ海峡に米英仏軍が集結したりと緊張が高まっています。
戦争にならないよう祈っています。
EUやアメリカは宗教上の理由もあってアラブやペルシャ
に偏見が強いけれど日本はそうではない。
ダルビッシュ選手のおとうさんもイランの元サッカー選手です。
○○人だから〜!というレイシズムは禁物。
ここのこさん
こんにちは!とても興味深く拝読しました。
なかなか中東情勢にはうとくてお恥ずかしいのですが、先から自分の勤務先で、いくつかの大学とのコンソーシアムにてアフガニスタン教育支援という女性の専門職を支援するプログラムを運用してきたことを思い出しました。
それにしても「多文化共生」・・・、ことばで言うのは簡単だけれども、全く違った風習を、例えば自分のとなりで死守しようとする人がいたとして、それがこちらの生活様式の変更をも迫るものだったりした場合に、どれだけ「ちゃんと」共生できるのか、ふと心もとなくなったりします。
だけど、これからの日本もずんずん変わっていく、変わらざるを得ないんでしょうね。
投稿者 ドラドラ : 2012年01月26日 11:28
ドラドラさん
エルサレムって結構多文化の共生してたんですよね。
日本はキリスト教信者の多い国家とは違う立ち位置で
外交を展開できるといいと思うのですが。
私自身は先祖は遠いアフリカ、グレートジャーニーの果てに
縁あって日本にたどり着いた末裔なんだろうと思ってます。
投稿者 ここのこ : 2012年02月02日 23:29