リアルな美大の日常を
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未来は変えられるか?
Dが映画「蜂蜜」が観たいと言っていたのですが
上映している映画館が少なくて、しかも上映回数も少なくなっていて
観に行けず。
で
急遽ここのこは「未来を生きる君たちへ」にしようではないか?
と提案し、観ることにしました。
スザンネ・ビア監督の作品。本来のタイトルは「復讐」だそうです。
舞台はデンマークとケニア。
ケニアの難民キャンプで医師として活動する父を持つ少年エリアスは
スウェーデン出身で学校でいじめを受けています。
そこへ母をガンで亡くした少年クリスチャンがロンドンから転校してきて
孤独な二人は親しくなっていくという設定。
理不尽な暴力を受けても報復はしない。それは解決にはならないから。
暴力でその場の感情を紛らわせるのはとても愚かなことだと
身を持って子どもたちに教えるエリアスのおとうさんの教育がすごい。
「男ならやられたらやり返せ」ではない。
それは医師として働くアフリカ、ケニアの難民キャンプでのあまりにも悲惨な暴力の実態を
知っているから。
残念ながらおとなへの不信感を抱いてしまっている(社会への憎悪を感じてる)
クリスチャンにはその時はこのことが理解できず非常に無謀な行動に走るのですが
尊敬する父を持つエリアスはその一歩手前で踏みとどめようと勇気ある行動を
起こします。
紛争地で妊婦のお腹を裂いて子どもの性別を賭けの対象にするという
残虐な行為は事実として伝えられている話。
こんな暴力の前で非暴力は本当に力となりえるのか?
重い問いかけです。
でも監督は世界を変えるのも実は自分を変えていくことだ。
愛する人とのつながりを築いていくこと、というメッセージも送ってくれます。
実際デンマークの少年2人は家族にも恵まれていて
この先はきっとやっていけるのではと期待ができます。
一方ケニア、キャンプの絶望的にも見える状況下でも笑って走る無邪気な子どもたち
いつまでも笑顔でいられるようにと思わず祈ってしまう映画ではありました。
機会があればぜひ観てください。
偶然ですが加藤登紀子さんが同じ日に観てたみたいでツイートしてました。
ここのこさん、さっそく調べてみたのですが、都心などすぐに行けるところでは9月16日までの上映で、仕事のスケジュール上どうしても行けそうにありません・・・、残念!
来週も中盤、岩手なんです。
横浜で10月29日から上映されるみたいなんだけど、こっちはどうかなあ・・・。
行けるといいんだけど。
投稿者 ドラドラ : 2011年09月08日 23:08
ドラドラさん
お忙しそう!
米アカデミー賞外国語部門でグランプリ獲ったのに
上映館が少ないですよね。(日本からは中島監督の「告白」がエントリーだったね)
映像が美しくできたらスクリーンで観たい作品ではあります。
テレンス・マリック監督作品でブラッド・ピットとショーン・ペン共演の「ツリー・オブ・ライフ」も映像は観るべきものがありましたが
緊迫感のあるストーリーではこちらの方がお薦めかな。
(「ツリー・オブ・ライフ」Dは恐竜が跋扈するシーンはしっかり見たと言ってました)
投稿者 ここのこ : 2011年09月12日 17:04