リアルな美大の日常などを!
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ねがい
土曜日の授業が終わって、父親の仕事のおわりを待って、二人で東北のおじいちゃんのところに行った
車を飛ばして、日曜の朝には病院についた
もうほとんど喋れなくなったおじいちゃんは私の顔を見て、ニッと笑った
チューブだらけの腕を精いっぱい伸ばしてきた
その手は暖かく力強かった
ほとんどものを食べないと聞いたのに、おかゆも食べた
いとこたちも来て、楽しい時間を過ごした
ところが伯父夫婦を残して昼食を取りに行っている間に容体が急変して亡くなってしまった
知らせを受けて急いで帰ってきたが間に合わなかった
苦しいも何も言わず、立派な最期だったそうだ
それからは家を掃除し、買い物に行っておじいちゃんを仏間で休ませた
荷物を取りに行ったはずの客間で気づいたら私は寝てしまっていて
起きたら仏間に親戚がいっぱいいたので 一人でダイニングでご飯を食べた
久々に睡眠を取り、食欲も満たされようとすると 人間とは現金なもので急に悲しくなった
おじいちゃんのいないダイニングが現実味を帯びて涙があふれた
慌ててからあげをほおばったが からあげがしょっぱくなるだけだった
昨日は気付くとおじいちゃんの横で寝ていた
薬であまり髪が抜けなくてよかったなぁと思っていたら寝てしまっていた
でもこれから寒くなるから私が編んだ帽子をお棺に入れようね、そんなことも思った
なんだか心に穴があいてしまったようだが
おじいちゃんがもう苦しそうにしなくてもいいんだと思うと穏やかな気持ちでいられた
母によるとこの数日危ないときが何回もあったそうだ
会いたいひと全員に会うまでがんばったのだろう
意志の強さがおじいちゃんらしかった
ところで私は先程自宅に帰ってきた
おじいちゃんが生前言っていたのは学業第一
おじいちゃんは私の絵を家じゅうに飾り、大学を無事卒業することを何より願っていた
俺の葬式にいてもどうにもならない、学校に行け
その遺志を尊重し、孫は全員明日のお葬式は不参加である
おじいちゃんはマメで死の数日前まで日記をつけていた
なんでも真面目に精いっぱい取り組んでいた
スポーツも万能でスキーのインストラクターの免許だって持っている
退院した時、再びユニホームを着て草野球の練習に出たと聞いたときはびっくりした
語っても語っても尽きることのないおじいちゃんの思い出
これからそれ以上思い出が増えることはないけれど
やっぱりおじいちゃんは私にとって特別なおじいちゃんなのである
そんなおじいちゃんの願いをかなえるべく新幹線に乗って帰ってきた
穏やかな顔をしたおじいちゃんには、さようならではなく 学校に行ってくるね と言って家を出てきた
精一杯残りの学生生活を過ごそうと思うのである
明日はただただおじいちゃんが心安らかであることを願うばかりだ
4年のくせに明日も相変わらず授業なのでそろそろ寝よう。おやすみなさい。
おじいさまのご冥福をお祈り致します。
コバトさん、就職活動も大変そうですね。
きっと天国でおじいさまも応援して良き方向に導いてくれますよ。
投稿者 みずしらず : 2010年09月21日 07:27
前の日記を読みながら、快方に向かいますようにと願っておりました。
とても素敵モダンななおじいさま。
今日の青空はおじいちゃまのところにも続いています。
あふれてくる涙は、空を見上げて拭いましょう。
おじいさまのご冥福をお祈りいたします。
投稿者 ジャスミン : 2010年09月21日 09:09
>おじいちゃんは私の絵を家じゅうに飾り、大学を無事卒業することを何より願っていた
俺の葬式にいてもどうにもならない、学校に行け
おじいさんは、きっとコバトさんと会えて うれしかったのでは、、、
おじいさんは 『コバトさんが 一番 自慢の孫では、、、』
涙で モニターがよく見えなくなり 、、、ごめん、、、
投稿者 amayasu納豆 : 2010年09月21日 20:11
おじいちゃんはこれからはずっとコバトさんの心の中で
生きていくように思います
投稿者 きゅっきゅぽん : 2010年09月22日 00:32
みずしらずさん
おじいちゃん、仕事、決まりそうだよ
そう言ったら、一瞬目でびっくりしたのち笑いました。
最期の旅路に嬉しい土産として持って行ってくれたのなら
いいのですが…。
投稿者 コバト : 2010年09月22日 21:49
ジャスミンさん
ブログに書くのはどうかと思ったのですが
書かずにはいられない出来事でした。
空を見上げてみました。
空は青くて青くて、とてもとても遠いところに思えました。
広い空で、軽くなった体で、楽しく野球しててくれるといいなぁ。と思います。
投稿者 コバト : 2010年09月22日 21:56
amayasu納豆さん
学校があることを知っていたので、まさか来ると思ってはいなかったのでしょう
すごくびっくりしたようですが、嬉しそうでよかった…
やせこけて小さくなっていましたが、にっこりと少年のようでした
自慢の孫…どうだったのでしょう。
もっともっとしてあげたいことはありました
これからもっとがんばったら、きっと、もっと喜んでくれるのでしょう
投稿者 コバト : 2010年09月22日 22:10
きゅっきゅさん
そうですね!
私の心の中だけに限らず色々な人の心の中に遊びに行って
元気に生きててほしいなぁと思います
投稿者 コバト : 2010年09月22日 22:18
毎日日記をつけていたおじいちゃんに以前
このブログのことを話したので書きました。
パソコンのことはちょびっとしかわからなくて
デジカメの写真を印刷するのと、
町役場のHPしか見れないおじいちゃんでしたが
天国でパソコンに詳しい人に出会ったら
おじいちゃんもこのブログを読んでくれるかもしれません。
みなさんコメントありがとうございました
読んでくださった皆さんもありがとうございました
投稿者 コバト : 2010年09月22日 22:21