リアルな美大の日常を!
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心にDOYAを持て!! の巻
ゴビのヴァイオリンのトレーナーさんで
模範的演奏のあとにキリっと不敵な笑みをうかべ 指導してくださる
方がいるのだが この不敵な笑みのことを 誰かが
“どや顔”
と言い出して ああ、うまいこと言うもんだなと思っていたが
このどや顔という単語は 今では広く一般的になっているから
現代人の生活や人間関係において 共感される部分が多かったのだろう
どや顔の定義とは その名のとおり
「どや!(どんなもんだい!) ぼくってすごいでショ!! ホレ」
と思った瞬間に現れる表情のことを それを察知した第三者が
「こいつぁ得意になっとるな」と感じ やや皮肉をこめて表現したものだろう
しかしながら このどや顔 芸術において こと表現者の立場において
いかに 気持ちの中にどや顔を持つか ということが 制作物に勢いを
与えるかどうかという問題につながるのではないかときゅっきゅぽんは
最近感じている
簡単に言ってしまえば ある種の 自己陶酔である
きゅっきゅぽんは今日 国立美術館の常設をまわってみたのだが
やはり きゅっきゅぽんが目を奪われるのは 水墨画や絢爛豪華な屏風である
斬るように描かれた草木の線 ふれるとこちらが怪我しそうなくらい
はりつめた線の鳥
そしてたっぷりとした衣装の皺の線
息をのむような線たちを前にきゅっきゅぽんが見たのは
作者たちの“どや顔”であった
「どや!! いい線やろ!!」
と言っているのである
それがものすごく気持ちがいい
迷いがないのだ
水墨画や書道なんかはそれが顕著に表れる
しかし、これらのどや顔精神 これらはすべて
様々な研究や努力によって培った 自分の力というものがあるからこそ
成り立つのである
べつにそんなものがなくてもどや顔はいくらでもできるが
それはただのアホである イミテーション・どや顔といってもいい
ただ なにかしらものを作るときは なんちゅうかこの
ちっぽけでもいい本物のどや顔精神を持ちたいところである
よくわからんがとりあえず 今時点での自分の力を信じて
「わしゃ天才!!」と思ってつくるのだ そうすればなんだか作品は生きてくる
そして 講評のときに冷静に謙虚になればよい
そうなのだ、きっとそうなのだ わはははっははっはは
よくわからないが、根拠のない自信に イミテーション・どや顔を
浮かべてきゅっきゅぽんは 帰っていった
帰ってゆく彼女のカバンから
息をのむほどマッシロな次課題の出品計画書がちょっと見えていたらしい・・・
たはは・・・