August 26, 2009
思考・思想までも軽くなる
こたつ問題は「作品を物質としてちゃんと完成させる」という本題を離れ、「審査委員の問題」、「1/1で考えていない」、等々いろいろな問題提起にもなっている。その中でも「自分が作る物へのこだわりや気持ち」が軽く、無くなってきているのが一番の問題なのだと僕は思う。
それはSANAAのスタイル(白く、とても軽い)という表層だけを模倣し始めたことが、作品の表現にとどまらず、模倣した制作者の思考・思想、作品へのこだわりや気持ちにまで昇ってきているからではないかと思う。(またその基礎にある、少子化によって1人の子供に目をかける時間が増え、何でんかんでも手取り足取り自分で考える前に教えられてきたということがまた問題なのかとも思う。)
実際のSANAAはそのようなスタイルをつくり出した創始者であるし、今もなおストイックであるから、そんなことは起こっていないが、最近のSANAAの作品で自身の作品を模倣してるようなものについては模倣された作品と同様、あまり魅力を感じない。
もちろん、それに準ずる若手建築家についても学生と同様に感じる。つまり「それに準ずる若手建築家」とはSANAAを模倣する若手建築家のことである。だからSANAAの成長期に在籍していた石上純也や菊地宏は違うし、中山英之もそれとは違う。
それに準ずる若手建築家は今ややたらとメディアに現れ、建築学生が目にする機会が多く手本にもなってしまうのだから、しっかりしてほしい。また、それを受け取る建築学生も思慮深くなってほしい。
Posted by key_t at August 26, 2009 03:58 PM
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