小説::手羽殺人事件 8号館

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手羽殺人事件「猫は見ていた -魔の80周年-」 第8話

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第1話 1号館
第2話 2号館
第3話 4号館
第4話 5A号館
第5話 5B号館
第6話 6号館
第7話 7号館

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竹林「さて困った・・・みんなアリバイがあるなあ・・」

minx「でも、今まで聞いた人のアリバイを整理してみようよ。何か見えてくるかもしれない」

竹林「まずはおきなまろさん・・」

minx「ほぼ完璧にアリバイが成立してるけど、唯一」

竹林「そう。4号館のくだり」

minx「あそこだけ不自然なんだよね。動機があるだけに一番怪しい人物なのは変わらない」

竹林「次はみちくさとりこさん」

minx「竹林くんから聞いた情報だと・・・(メモを見る)・・彼女の言葉を信じるんだったら、シロだね。ちょっとだけ午前のアリバイがあいまいだけど」

竹林「でも、引っかかってる部分があるんだ・・・」

minx「どしたの?」

竹林「思いすごしかもしれないけど、午前のくだりがあるじゃない?」

minx「ああ。パソコンルームの話ね。11時まで人がいなかった、ってやつ?」

竹林「うん・・まあ・・それもあるんだけど、『男神輿を見に5B号館に行った』という理由が」

minx「そりゃ、男神輿だもん。理由を聞くのはヤボってやつでしょ」

竹林「男神輿を制作してる場所は2号館なんだよ」

minx「あっ」

竹林「彫刻の工房は2号館だから、5B号館に男神輿があるはずがない」

minx「ってことは・・」

竹林「彼女は何か嘘をついてる。それも『男神輿を見たかったから』という理由以上に言えない嘘が」

minx「そして次が四輪駆動さん」

竹林「午前中は体育に出てたというけど、午前全部体育ってのいうは変じゃない?」

minx「今のカリキュラムならそれもできなくはないけど、どんだけ体育好きやねん!って突っ込みたくなるよね、それじゃ」

竹林「そして、午後は工房で8時まで制作・・・」

minx「この制作っていうのがクセモノ。制作中といってもずっと工房にいるわけじゃないから、抜け出そうと思えばいつでも抜け出せる。実際に『工房にずっといた』と言いながら『7号館で絡みづらい人を見た』と矛盾した発言をしてるし」

竹林「それもそうだ(笑) でも、確かにアリバイが一番はっきりしてないのは四輪さんだけど・・彼女には動機がないよ」

minx「毎日新聞に掲載された写真が気に食わなかったとか?」

竹林「毎日新聞の記者がどうのってことは言ってたけど、手羽さんのことは何も言ってなかったよ」

minx「うーん・・・そして、最後は絡みづらい人くん」

竹林「彼に直接会えたわけじゃないから、友達の証言を信じるなら」

minx「竹林君・・まだ気がついてないの?」



竹林「・・・へ?!」

minx「そうか。君はわかってなかったんだね。クラウザーさんのマスクをかぶってたのは間違いなく絡みづらい人くんだよ」

竹林「ええええ?!」

minx「なぜなら、彼が手に持ってた本に三国郡英伝のカバーがかかってて、グミを食べてたんだもん」

竹林「ってそれだけで本人だと決め付けるのはどうかと・・・」

minx「絡みづらい人くんは東京の下町生まれの下町育ちでしょ?江戸弁って「ひ」を「し」って発音しちゃうんだけど、さっきのクラウザーさんは『人』を『しと』、『必修授業』を「しっしゅうじゅぎょう』って発音してた。これが決定打だね。三国郡英伝のカバーがついた本を持ってて、グミ好きで江戸弁をしゃべる視デの子なんて絡み君以外考えられない」

竹林「今時若い子がそんな江戸弁を使ったりはしないでしょ・・」

minx「いやいや。方言って染み付いてるもので、札幌の人なんて『僕達は全然訛ってない』といいながら、気を抜くと語尾に『・・べさ』ってついちゃうからね。どんなに気をつけても染み付いたものは出てきちゃうのさ」

竹林「じゃ、なんで僕らをだましたわけ?」

minx「ボクラをだまさなくちゃいけない何かがあるってことだね」

竹林「・・・・・・」

minx「次は誰に聞いてみる?」

竹林「妥当なところだと、ヤスタカくんあたりじゃない?彼はちょこちょこ手羽さんと接点があったみたいだし、手羽さんから『ムサビから抹消してやる★』と言われて、その恐怖に耐え切れず殺害した・・・という可能性が考えられる」

minx「じゃ、こうしよう。二人で全員に聞いてまわってたら時間がもったいないから、ここからは別行動ってことで。竹林君はhelvetica さんをお願い」

竹林「ああ。そういえば彼女は『手羽さんが顔を覚えてなかった』って怒ってたよね。ムサビ日記メンバーとしてはこれは充分殺害の動機にはなる」

minx「じゃ。ボクはヤスタカくんが終わったら、8号館の工デ連中と、最近大学に対して不信感を抱いてるっぽい建築のkey_tさんあたりをあたってみるよ。大学への不信感=法人への怒りに変化する可能性もあるし」

竹林「じゃ、終わったら入学センターに集合ってことで」

minx「了解!」


minxは8号館の方向へ走っていった。

竹林は携帯を取り出しながら、9号館へ向かった。

竹林「もしもし。竹林です。ちょっと今いいかな?・・」





竹林は2時間後にある出来事を聞かされる。


8号館中央吹き抜けで3階からの落下物が直撃し、minxが死んだ、と。


* * * * * * * 


この物語はフィクションであり、実在の人物及び団体とは一切関係ありません。

というわけで、helveticaさん、次お願いします。

投稿者:ichiro : 2009年05月08日 03:06

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コメント: 小説::手羽殺人事件 8号館

とりあえずはやくまわしてください。w
どんどんハードルが高くなっていませんか??

投稿者 ヤスタカ : 2009年05月08日 04:24