芸術祭2008が終わって4



前回の続きです。


企画一覧が見れないについて。
今年はこれが一番つらかったかな。
沢山の情報を羅列するよりも、シンプルな画面にするために検索式にした・・・て気持ちはわかるんです。
でも、補助的に検索があるとそれはすごく便利なんだけど、「検索しなくちゃ企画が見れない」てのは使い勝手からするとあんまりよくなくない。
データベースでせっかく企画を管理してるんだったら、それぞれ一覧で見せるページも欲しかった。
せめて「空白で検索かけると、一覧が出てきます」って裏技を書いておくだけでもよかったんだけど。


これは私も実感してることなんですが、カテゴリの分け方ってかなり難しいんだよね。
芸術祭のことをわかってる人間だったら、「○日に何をやってるかだけ知りたい」と思う。
でも、受験生からすると「視デの学生さんの展示が見たい」「映像学科の学生さんの上映会を見たい」等と学科別に調べる可能性が高い。
在学生の友達や保護者は「○○ちゃんの展示をどこでやってるか知りたい。DMもらったけど無くしたんだよね。あ、仲良しの□□ちゃんもなんとかっていうファッションショーをやってるはず。」が気になる。
会場に来た方は「この建物で何をやってるか知りたい」と思う。
外部の方は「美大の学園祭って面白そう。どんなことをやってるのかとりあえず知りたい」と調べる。
そもそも、外部の人は「視デ」「ゲイブン」が何の略だか知らないように、「展示」と「模擬」と「催し」の違いを知らない。

そうそう。
今回ムサビに初めて来た方のブログに「学園祭でファッションショーやっててビックリ」と書かれてたんです。
私達からすると「え?え?じゃ、ファッションショーをやりそうな大学って美大以外にどこがあるの?服飾系ってこと?でもファッションと舞台美術を勉強する学科があるんだから、美大でやる方が当然じゃないの?」と思ったりもするんだけど、世の中の常識とはそんなもんなんです(笑)
(「開拓する余地がまだまだある」という意味でもあるよね。広報、がんばれ!)


人によって検索カテゴリが違うけど、それを全部考慮したカテゴリ分けにすると、それはそれでかなり使いづらくなる。WEBを作ったことがない人は「全部考慮するべきだ」と言い出すんだけど、実際にそれをやると「いくつもカテゴリがあって不便だ」ってさらに言い出すんだよね。
よくあることです(笑)

何かを切り捨てることも必要で、切り捨てた部分をどうやってフォローするか?を考えればいい。
こういうことを考えなくちゃいけないから「デザインは絵が描けるだけじゃダメだ」と言われてるんだけど、もっとこのあたりをWEB班みんなでアイデアを出し合って、詰めるべきだったように思います。




見たいのは『システム』ではないについて。
イベント1週間前ぐらいまではどのイベントサイトもマメに更新されるんですよ。
時間があるから。
でも、イベント直前、そしてイベントが始まっちゃうと、関係者は「WEBどころじゃなくなって」、更新されなくなる。
もちろんイベントが終わったらみんなでお疲れ様会&撤収。
イベント3日前に更新がストップし、次回更新されたのはイベントが終わった2日後。しかも始まる前のテンションがなくなってる・・なんてことがよくあります。よく。

イベントサイトを見てる人が開催中に一番気になる情報は「どんな感じで盛り上がってるか?」なのに、その一番大事なタイミングで新しい情報が出てこない・更新されないことが多い。
これが「イベントサイト・イベントブログが抱える矛盾」です。

イベントサイトを作る場合は、事前の作りこみももちろん大事だけど、「イベント中にリアルタイムな情報をどんな感じで出して、より興味をひきつけるか。みんなに『これなら行きたいなー』と思わせることができるか」の「仕組み」も考えておくのが鉄則。


今回、「ケイタイサイトから画像を投稿してMAU宙をつくろう!」という企画がありました。
リアルな芸術祭を知らせる「仕組み」ですね。
コンセプトもテーマの宇宙にそったものだし面白い。
システム的にもかなり凝ってる。


でも、このサイトが公開されたのが11月2日。
イベント2日目です。
その結果、ご覧になればわかりますが、11月9日現在、5件しかアップされていません・・。

公開さえすれば、すぐにみんながUPしてくれると思ってたのか、システム作りが間に合わなかったのか。
複雑なシステムで動いてることはわかるんだけど、イベント2日目に公開されて、5件しかアップされないんじゃ意味がない。
本末転倒ってやつ。

「なぜこの企画サイトがあるのか」「いかにみんなにアップしてもらえるか?」をまず考えるべきだったよね。
システム作りが間に合わないのなら、ある段階で妥協し、ケータイから写真をUPするだけのサイトにするべきだった。
「このシステム、すごいなー」と見る人は少数だもん。
システムが見たくてイベントサイトに来てるわけじゃない。


芸術祭2008が終わって2」で書いたけど、「企画力」「モノを作る力」はムサビ生って優れてるんだけど、「仲間や教員に見せる」ではなく、「外部や知らない人に見せる」意識がゲイサイの展示なども含めてちょっと弱いような気がしてます。
作ることに満足しちゃってるというか。
もっと「外部の人にも見てもらうためのイベントサイト」であることをもう少し意識する必要はあったと思いました。

以前紹介した舞台「恐れを知らぬ川上音二郎一座」で、音二郎(ユースケ・サンタマリア)と劇作家(堺雅人)とにこんなやり取りがあります。

音二郎 「どんないい舞台でも客がいないことには意味がない
劇作家 「客が入っても下手なものを見せては意味がない

あなたはどう考えますか?
私は・・・・これは後日書きます。
もずくさんも悩んでるようですね


あ、そうそう。
これまで「http://geisai.jp/」とアナウンスしてたのに、今年は「http://www.geisai.jp/」と紹介してたのは何か理由があったのかな?
せっかくの独自ドメインなんだから、告知力としては「http://geisai.jp/」の方が強いと思ってたんだけど。これは考え方次第なので、答えはないけどね。






最後にもう一度書きます。
ムサビの芸術祭、そして芸術祭WEBは自慢できるものだと自負してます。
「ムサビのゲイサイ、やばいな・・」と思ってたら、誉めまくりますよ(笑)
期待してなくちゃ私も書きませんって。

投稿者:ichiro : 2008年11月09日 06:16

トラックバック


このリストは、次のエントリーを参照しています: 芸術祭2008が終わって4:

» イベントサイト・イベントブログが抱える矛盾
from ホームページ制作にセカンドオピニオンを!

ムサビ日記 -室長の手羽-:芸術祭2008が終わって4 より。http://www.musabi.com/ichiro/archives/2008/11/... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2008年11月09日 22:39

コメント: 芸術祭2008が終わって4


そろそろ気が済みましたか?

本当にめんどくさい人ですね手羽さんは。

次からはおもしろいブログお願いしますよ。


投稿者 おきなまろ : 2008年11月09日 22:30