卒業制作を作る前に1

毎年早い時期に書こうと思いつつ、毎年タイミングを逃してしまってた記事があります。

1つ目は「6月3日はムサビの日」。
今年はなんとか6月3日以前に書くことができました。やればできる!

でも2つ目、「東京造形大学の学園祭」は「ぼちぼちかなー」とチェックしたら・・・土日だったんですね(涙)
早いよ。早い過ぎるよ東京造形。。。
ちなみにムサビの学園祭(芸術祭)は2008年11月1,2,3日です。タマビも同じです。


そして3つ目。
それは卒業制作についてです。
4年生・院2年生へのアドバイスを卒業制作・修了制作期間に突入した9月に毎年書きたくてね。
でも、いつも1月末に思い出したように書いてまして・・・ぶっちゃけ1月末に書いたって「今更言われても・・」でしょ?(笑)


まず、これまでのアドバイスはこちら。
卒業制作について
卒業制作を作っているあなたに1
ムサビペディア::価値観
卒業制作展の前に1
卒業制作展の前に2
卒展の感想4
卒展の感想5

ま、言いたいことはだいたい書いちゃったんだけど、ちょっと視点を変えて。


教授には3つのタイプがあります。
(1)学生の考えを尊重するタイプ
(2)学生のアイデアをちょっとだけ伸ばすタイプ
(3)自分を基準にアドバイスするタイプ

厳密には4つタイプがあるんだけど、残りの一つはあえて書きません。



(1)学生の考えを尊重するタイプ
よくも悪くも放任主義。
良く言えば「学生が作りたいもの、描きたいものを自由に作らせる」タイプです。
ファインアート系の教授に多いです。

でも、原因は学生側にあるのかもしれない。
ファインアートの学生は(自分も含め)、教授にちょっかい出されるのが嫌なんです。
今の学生さんもその傾向はまだあるんじゃないかな?

先生が工房を巡回して、「こうした方がいいんじゃない?」ってことを言うんだけど、「うるせーなー。あんたのおしゃべりを聞いてる時間があるなら作品作りたいんだけど」・・・・と正直思ってました(笑)
「どういう卒制を作りますか?」っていうエスキースチェック(アイデアチェック)を9月頃に受けたんだけど、なんか言われるのが嫌だったから、全然違うエスキースを出しました(笑・・良い子はマネしないように)
先生も学生の「深くかかわって欲しくない」気持ちがわかってるから、あまり助言しない。
なので、放任主義になる、と。

教授との関係はそういうもんだと思ってたから、職員になって、デザイン系の先生が事細かに学生さんに指示を出してる姿とか、逆に学生さんが先生に「どうしたらいいですか?」と相談してる姿を見てびっくりしましたね(笑)


前にも書いたけど、卒制になると周りが全然見えなくなってきます。
特にファインアート系は「自分との戦い状態」が強くなる傾向にあって、後で考えてみたら「なんでこれ作っちゃったんだろ?」と思うことが出てくる。間違いなく。
そのパワーが「学生に許されるパワー」でもあるのでそれを否定しませんが(むしろ好き)、仲良しの友達ばかりに相談しないで(きっと友達は「この作品いいねー」っていうだけだから)、たまには先生に助言をもらった方がいいよ。

また。
「よし、教授を困らせるために彫刻学科だけどアニメ作ってやれ!」てなことで制作してる学生さんもたまにいます。ファインはそういう子が時々いるのよ(笑)

でも実は教授はそんなに困りません。
期限どおりにいい作品を作って、それをちゃんと展示でき、講評をできる状態になっていれば、「○○学科なのに○○を使ってないなんてどういうことだ!!」と素材やメディアにこだわる先生はほとんどいません。
困らせようとしてる先生が実は「○○界の異端児」と言われてたりするわけだし(笑)
教授とは「権威主義の塊」ぐらいで見てるかもしれないけど、そんなの昔のドラマや小説の世界。
意外と教員は学生さんのこと、学生さんが作った作品を理解しようと努力しています。
ファカルティ・ディベロプメントの研修で、教員が「どう学生に接すればいいか」とみんなで悩んでる姿なんて、想像できないでしょ?
これも職員になって知ったことです。

ファインアートの学生さんは、特に卒制では、もう少し教授を信用してもいいかもよ。


続く。

投稿者:ichiro : 2008年09月22日 04:57

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