リアルな美大法人企画室長の日常を
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しりとりブログ 「ヒモ」「恋愛」
昨日、某テレビ局の撮影隊がムサビに来てました。
以前も書きましたが、CMやテレビ局、雑誌の撮影依頼はかなり多いです。
単なる「アトリエっぽい部屋を貸して欲しい」では断っているんだけど(minxさんは断り下手らしいけど・・)、「ムサビで撮影する必然性があるもの」「ムサビOBがからむもの」に関してはできるだけ協力するようにしてます。
最近ムサビの露出が多いように見えるのは、別に2009年が武蔵野美術大学80周年だから、とかじゃなくて、それだけムサビ関係者が表の世界でも裏方の世界でも最近活躍してるってことなんです。
で、今回「美大芸大の学長で画家の人」がテーマだったんですね。
取材だと広報課が担当ですが、学長がからむと私の仕事でもあるので。
番組の趣旨からして「断ろうかな?」って思うものだったんですが、考えてみたら
「現役画家の学長」ってあんまりいない。
そうなんです。
これだけ日本はいっぱい美大芸大があるのに、「現役の画家が学長をしてる大学」がほんと無いんです。
東京藝大もタマビも違います。
関東美大じゃなくて全国の美大を見渡して、現役画家って愛知県芸の磯見先生と東北芸工の松本先生ぐらいじゃないかしら。画家だとしてもご高齢だったり、現役だけどほとんど日本にいなかったり。
「あ。ムサビでやるしかないんだな」ってことに気づき、学長に出演してもらうことになったと。
この番組の企画趣旨は「ムサビの美術教育」と全然違うので、いかに学長が思ってることを言えたか、そして制作サイドはそれを都合のいいセリフにどう編集したか、いろんな意味で出来上がりが楽しみです。
美術業界の活性化モデルとなってくれれば。
詳しい話はいずれminxさんあたりが書くと思うので、この話はこんなところで。
さて、今日はそんな学長の話を。
学長が番組スタッフの方に私を紹介してくれたんですよ。
「手羽ちゃんは広報課でいろいろやりすぎちゃって、こっちに飛ばされちゃったんだよな。なんてな。がはは」と。
学長も心の中でそう思ってたなんて・・・(涙)
自分でも薄々そんな気はしてたんだけど(涙)
そんなお茶目なムサビの学長は甲田洋二といいます。
「個人アトリエでも撮影させて欲しい」と言われて、「今描いてる絵があんまり気に入ってないから嫌だ」と断ったバリバリの現役作家です。
共通絵画の教授です。共通絵画とは簡単に説明するならば、デザイン系学生さんにファインアートを学ばせるところ、とでもいいますか。
奥さんが「え?あのイガグリ頭で丸メガネの先生が学長なの?!」と驚いてました。
実はうちの奥さんもムサビOBでして、某工デの某テキスタイル出身です(某をつける意味があるのかな・・)
ま。そのあたりの恋愛話はまた暇な時に書くとして、奥さんも共通絵画の授業を受けてるんですね。
「甲田先生には講評で酷評された嫌な思い出があるのよ(怒)」
おっ。なんか面白くなってきたぞ!
手羽も甲田先生の弱みを握ってないと。
「なになに。酷評されたってどんな感じなのさ」
「確か1年の時の講評会」
「うんうん」
「周りは浪人生ばっかりですごく絵がうまいのよ。それに比べて自分は全然絵がうまくない」
「1年の講評じゃ現役生はみんなそれを実感するよね。それで?」
「で、自分の番になって、甲田先生からいろいろ質問されたの」
「うんうん」
「でも自分は絵もうまくないし、絵に対しても他の人に比べたら深く考えてなかったことがわかって、答えられなかった」
「どれだけ絵にちゃんとアプローチしたかが大きいもんね。それでそれで」
「すると甲田先生がこういったの」
「おっ!なんて言ったの?」
「『ごめん。ボクの質問の仕方が悪かったかな?』って」
「ふーん・・で?」
「でって・・・それで終わり」
「・・・・・・全然酷評されてないやん。甲田先生は嫌味でそういうセリフをいう人でもないし」
「それはそうなんだけど・・・今思い出してみると酷評されてないんだけど・・・なんか思い出として『甲田先生に酷評された』って記憶なのよね」
いつのまにか思い出ってものは変わってしまうものなんだなあ。。。って話でした。
・・・・・・・・・・・・・・
東北芸工さんのサーバが止まってて、昨日から大学WEBもブログも見れない状態です。なかのひとさんからもその旨のメールが届きました。
なので今回は自分の出したお題に自分が答えるという、なんともむなしい結果に・・・。1人でしりとりするのって、1人でババ抜きするようなもので、かなり寂しいです・・・。しかもヒモなんてありそうでないネタだし・・・意外と難しかった。だから今日中にサーバが復活することを強く願います・・・。
というわけで、東北さんへのお題は・・・え?お題をクリアしてない?
ちゃんとみてくださいよ。
「活性化モデル」の中の「化モ」ってところに「ヒモ」って隠れてるでしょ?
ちゃんとクリアしとるんです。え?卑怯だけど、ある意味立派?
ありがたい言葉だ。
そうだ。
これが東北さんたちへの最後のお題になるんだな。
実はしりとりブログを始めた時には最後に出すキーワードは決めてたんです。うふ。
じゃ、東北さんへの最後のお題は「2009年が武蔵野美術大学80周年」でってことで張り切ってよろしくおねがいいたしま・・・・・・・・え?それは無理?・・・・・やっぱり?・・・だよね・・そこは超えちゃいけない一線だよね・・・・・なりゆきで他大学ブログで80周年を宣伝させ、なおかつ自然に、なおかつ断れない方法としてかなりいい作戦だと思ってたんだけどなあ・・・・・・今までのしりとりブログは全てそのための伏線だったんだけどなあ・・・。
じゃ、東北さんへの本当のラストお題は「サーバ」、竹林くんは「恋愛」。
サーバが復活することを願いつつ、最後はやさしいトス。
それと別に「キーワードは2回使っちゃいけない」なんてルールを作ったつもりはないので、必殺「キーワード返し」。他人事だと思ってて今まで気にしないでいたら、いつか自分に降りかかる・・そう今の君の仕事みたいなものです。
竹林くんの甘酸っぱい話なぞぜひ!
ぐふふ。
入学案内を読むにつけ武蔵美通信の寄稿を読むにつけ、ムサビの学長の教育に対する見識は非常に高いものであるように思いました。
自分の母校に引き比べて羨ましい限りです。
投稿者 マイケル☆音量子 : 2008年08月31日 08:52