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入試の話::併願と倍率の関係編
入試業務モード全開です。
世の中は3連休だったんですね・・・・。
先日のエントリーで書いたように、「倍率」ほどあてにならない数字はありません。
なぜなら、「併願」というものがあり、これが本当の数字をわからなくさせてるからです。
例えば。
視デ受験者はタマビのグラフィックも受けてる可能性が高い。
視デとタマグラ合格してタマグラを選択する人もいます。そういう人はいないと思うけど(涙・・ムサビ選んでね)。
また、視デ受験者は基礎デやデ情を併願してる可能性もあって、視デとデ情合格して、デ情を選ぶ人もいます。
だから、「合格したけど抜けていく人」を見込んで合格発表の合格者数は定員よりもちょっと多めに出すもんなんですね。人気度だったり併願率が違うので、どれくらい多めに合格者を出すかは当然各大学・学科バラバラです。
これが第1の「実質倍率」となります。
受験雑誌なんかで使われてる数字はほとんどこの「志願者数を合格発表者数で割った数字」です。
そしてそして補欠があります。
2月下旬になると某掲示板で「●●学科の補欠◎番だけど、大丈夫かな?」なんて書き込みが毎年ありますが、この「去年の補欠の繰り上がり数」も、本当にアテにならない数字なのよ。
去年はいっぱい繰り上がったと思ったら、今年は数番で終わり、ってことはよくあること。
もちろんその逆のパターンもあります。
これはもちろん「人気度が変わった」という考え方もあるけど、「今年は去年より合格者をたくさん出したから補欠の繰り上がりも減った」ってことも。
「志願者数を合格発表数+補欠繰上げ数で割った数字」が第2の「実質倍率」。
本当の合格率ってこの数字だったりするわけです。
では、皆さんが理解したか例題を。
定員100名。受験生1000名。
「倍率はいくつですか?」だと・・・ま、10倍です。単純倍率なら。
でも抜ける人もいるので発表された合格者は200名だったとします。
実質倍率は・・・・そうです。5倍になります。
んで、補欠繰上げで50番の人まで受かりました、と。
その学科の本当の実質倍率は・・・・・そう。実は4倍程度だったりするわけです。
わかったかな?
「合格発表数はほとんど定員どおりで、補欠で補充する」というやり方が一番簡単なんですが、あんまり補欠が繰り上がりすぎると「あの大学は人気がないんだな・・」と思われたりします。
どれくらい合格者を出して、補欠を発表するかってかなり難しく、ある意味大学と受験生との「かけひき」とも言えます。
だから、「視デのセンター倍率51倍?!(涙)」なんて嘆く必要はあんまりないのよ。
実際の倍率はそこまで高いはずないから。
でも。
比較的デザイン系希望者は他学科も併願者してる人が多いです。
例えば工デと空デを併願するとか。だから「抜ける」可能性も高い。
一方で彫刻なんかは他大学との併願はあっても、例えば彫刻と油絵を併願する人は少ない。
予備校等で対策をせずに受験する人もほとんどいません。
だから見た目の倍率が低くても、本当の倍率は意外と高かったりします。
倍率が高いからといって嘆く必要もないけど、倍率が低いからといって楽観視する必要もありません。
つまり。
倍率とか周りの噂とかそういうものはあまり気にせずに、いつもの自分を受験で出すしかないってことです。
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