リアルな美大法人企画室長の日常を
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リスの惑星2
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剥製屋さんに到着。
入り口に入ると、鹿やクマのでっかい剥製がお出迎えしてくれました。
こ、こんにちは。白クマさん・・・あんまりこっち見ないで・・・。
こんな至近距離でこんなに大量のでっかい剥製を見るのってあんまり経験がないかも・・動き出しそうで夜は怖いだろうな・・。
こっちにはかわいいバンビ発見。
今にも動き出しそう。
元彫刻家の血が騒ぎますね。
ある意味、剥製も彫刻の一種なわけで。
ぬいぐるみを作ったことがある人ならわかると思うけど、内側から形を作っていくのってかなり大変なのよ。結構思い通りに形作るのは難しいんです。
多分手羽は作れない・・。
剥製の造形力に圧倒されてると、白衣姿の店長さんが登場。
この店では剥製を作っているんです。
「エゾリスでこんな大きさでこんなポーズの剥製を必要なんですが」
「在庫は一体しかないんだよ。それ見てみる?」
「あ、これいいですね。イメージどおりです。こんな感じのを後3体必要なんですが」
「作るしかないかな。このリスなら多分在庫はあったと思うからちょっと待って。冷凍庫見てくるから」
・・・・・・・・・・・。
だ、ダメだ。その冷凍庫の中を想像しちゃダメだ・・・・・きっと失神する。
「大丈夫だね。その数なら眠ってた。いつまでにいるの?12月の中旬?なら大丈夫だよ」
「ところでリスぐらいの大きさの剥製だとおいくらなんですか?」
「だいたい一体●円ぐらいだね」
「・・・・えーと(汗)・・・・」
金額は自分で調べてみてください・・・。
そして12月中旬。
再度お店へ。
「ムサビさんだね。もう準備できてるよ」
か、かわいい・・・・。
書類を書いてもらってる間に店長さんをインタビュー。
知られざる剥製師の世界。
「中は何が詰まってるんですか?」
「リスぐらいの大きさだと木のチップだね。もう少し大きくなると発泡スチロールとかかな。クマとかもっと大きくなると、FRPで中を作っちゃう。だから見た目よりも軽くて丈夫なんだよ」
「まさに彫刻ですね・・・」
「そこにある白クマも中はFRPで空っぽなんだよ。台座が重たいからそのまま運ぶのは大変だけど、台座を外しちゃうと1人でひょいって持てちゃう(笑)」
「でも、そんな大きな剥製って日本じゃあんまり需要がないんじゃ?」
「アメリカやカナダだと”狩り"が盛んだからクマやトナカイの剥製需要が高いんだよ」
「なるほどなるほど」
「中に入れるFRPの型が大量生産されて売ってんだよね。そのカタログもあるくらい。だから日本よりもかなり安く作れる。逆にこういうリスとか小さなものは”型”を作りにくいから、日本の方が安くて精巧なものが多いかな」
「こういうお仕事って美大や芸大卒の人がいたりするんですか?」
「いないんだよねー。立体はなんとか独学でできるんだけど、色使いは専門の教育を受けてる人にはかなわないから、うらやましいんだよねー」
「へ?剥製に色を塗る?」
「例えば、鳥の足部分(肌が見えてるところ)は死んじゃうと真っ黒になっちゃうんだよ。昔はそのままで良かったんだけど、最近は肌色に仕上げないと買ってくれないのね。そういう繊細な肌色の表現力とかはやっぱり美大や芸大の人にはかなわない」
「どういうところから購入依頼が来るんですか?」
「ほとんどは博物館とか。CMや映画のセットで使いたいってこともよくあるし」
「美大なんかは?」
「時々あるよ。そういえば何年か前に名古屋ナントカ大学っていう美大から依頼があって納品したら、その直後にやっぱり名古屋カントカ大学ってところから依頼があったんだよ。同じ大学だと思ってたら、話が合わなくてね。全然違う大学だったんよ。名古屋は似たような美大がいくつもあってわからないね(笑)」
あああ・・・そんな東京の人間が心に思ってることをはっきりと口にしなくても・・・。
「リスが松ぼっくりを持ってるのは何か意味があるんですか?」
「立ちポーズだと手が宙ぶらりんになっちゃうんだよ。だから何か持たせた方がかわいくなるから松ぼっくりを持たせるようにしてるんだ・・・はい。書類完成。あとはよろしくね」
というわけで、リスさん達が松ぼっくりを持ってムサビにやってきました。
まさにリスの惑星。
ここの剥製屋さん
ムサビに通学するとき(チャリ通)
すごく気になっていました。
こんなお店なんですね。
帰り暗い中に見ると怖いんですよね…
投稿者 吉祥人 : 2007年12月21日 22:47