公募制推薦入試志願者数

平成20年度公募制推薦入試の志願者数が確定しました。

平成20年度 公募制推薦入学試験志願者数一覧[PDF]

第1次選考の結果については、11月13日(火)以降に全受験者に郵便で通知されますでの、しばらくお待ちください。



今年は日本画学科・油絵学科・彫刻学科・デザイン情報学科にとって、初めての公募制推薦入試です。

デ情の条件がかなり厳しかったので、正直なところ「受験生いるのかな・・」と不安だったんですよ。だって「評定平均3.8以上でなおかつ外国語が4.0以上。英語記述の志望動機書提出、2次試験では英語でのプレゼン」ですよ。ここまで外国語縛りの厳しい条件をつけてる美大の推薦入試って他にないんじゃないかしら。
ムサビは世界を意識している」というデ情の強い意志を感じるわけですが、そこに3名申込みあったというのは、人数以上にすごく嬉しいものがありました。

なんせ、世界のデザイン系大学60校に日本でランクインしたのはムサビと慶應だけですからね。
(すいません。長澤先生がもっと宣伝しろとうるさいもので・・・)




さて、このブログは「美大の実情を知っている美大OBが書く大学非公式ブログ」です。
以下、それを確認した上で読んでください。
推薦入試の話2です。
推薦入試の話1はこちら。


「推薦入試?絵が描けなくても美大に楽に入るための手段じゃないの?受験生が減って大学も困ってるからやるんでしょ?」
ぐらいに考えてるとムサビの公募制推薦入試は痛い目にあうでしょう。

なぜなら、確かに10年前に比べればムサビも受験者数はかなり減ってはいますが、ここ数年は他美大さんに比べると減少率がかなり低いんです。入試改革もやってなかったのに。(もしかしたら今年はめちゃくちゃ減るかもしれないのであんまりこういうことは書きたくないのだけど・・・)

なので、「受験生が減って減って、なにがなんでも推薦入試で受験生を確保しなくちゃ・・」みたいな考え方はまだムサビ内では弱く、やはり「一般入試優先」の考えの方が強いです。もちろんちょっとは「受験生を早めに確保したい」という気持ちはありますけどね(笑)


私は「推薦入試賛成派」です。
推薦入試本来の体裁を保っている状態であれば」ですけど。
1〜3割ぐらいの割合だったら、学科が全然だめだけど絵がめちゃくちゃうまい人や美術やデザインが素直に好きでモチベーションが高い人や「プロデュース能力」「問題解決能力」「外国語による調整力」等が優れてる子がいた方がいいですもん。お互いが関係しあってモノを作れるなんて、こんな最強の組み合わせはありません。


ただ、そういう人が学生数の半分以上を超えるとなると「うーん・・・」と正直悩みますね。
というのも、構図のとり方・形の取り方など「基本的な表現方法」を教わるのも、なんだかんだ美術研究所だったりするし(大学では教えてくれません)、アイデアをまとめたり広げる能力って国語や英語の「学科力」が必要だったりするわけだし。


現実に、指定校推薦・AO等の合格者が多数を占める美大の卒業制作作品を見るとショックを受けることが増えてきました。「あれ?高校生レベルの描写力とアイデアばかりじゃん・・。この大学ってこんなレベルだったっけ・・」と。これを他大学批判と取られるのは仕方ないんですが、美大OBとしての正直な感想です。
『昔に比べるとムサビもレベルが下がった』とOBから嘆かれることがあるんですが、なんだかんだやっぱりムサビってレベルが高いんです。
でも、それが「やったー!!他の美大に勝った!!」みたいな嬉しさではなく、「ち、ちょっと皆さん、これマジでヤバイ方向に向かってない?だ、大丈夫?」 という心配な気持ちの方が強い。

今回、ムサビ推薦入試を志願された皆さんへ。
「楽して美大に入りたいからムサビの推薦入試を受ける」って考えは捨てた方がいいです。
「なぜムサビの推薦入試を受けるのか?自分は何ができるのか?」をしっかり考えてきてね。

薄々誰もが気がついてるけど、いえないこと。
多分、このブログでしか書けないことだと思うのでおもいきって書いてみました。

投稿者:ichiro : 2007年11月09日 05:52

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