リアルな美大法人企画室長の日常を
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壮絶!美大生バトル小説ブログ7
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壮絶!美大生バトル
「めちゃくちゃアートな運命- Most and Ultimate -」
7枚目。
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「なに、さっきからごちゃごちゃぬかしとんねん」
「あ、ごめんなさい。この子、全くバトルのこと知らないから、いろいろ教えてあげてるの」
「なんや。ド素人かい。こちとら時間がないさかい、素人さんにつきあっとる暇はないねん」
「だって、僕、今日MAUカードの存在を知ったぐらいなんだもん」
「めちゃくちゃ素人やんけ。ほんまこんなやつをフィールドに連れてって大丈夫なんかいな」
「ねえねえ。そういえば、君の名前をまだ聞いてなかったよね?」
「自分から言うのが礼儀じゃ」
「あ、ごめんごめん。僕は武蔵。田中武蔵。君は?」
「竜や。小川竜。」
「あら、小さな川にいる竜なのね(笑) 小さな川で竜きどり。まさに今のあなたを表してるみたいだわ」
「このアマ〜。その減らず口もそこまでや。バトルでこてんぱんに叩いたるわ。フィールドで待っとるぞ」
竜はおもむろにMAUカードを学内MAPにかざし、「マウ!」と叫んだ。
すると体が消えた。
「き、消えた・・・」
「さ、私達も中に入るわよ」
「でもさあ・・・」
「ん?どうしたの?」
「ちょっと疑問に思ってたんだけど、80年に一度のバトルなわけでしょ?」
「そうよ。それがどうしたの?」
「80年前って鷹の台キャンパスはなかったよね?最初は吉祥寺キャンパスでバトルをやったってこと?」
「その通り。でもね。そのバトルが理由で鷹の台キャンパスに移ることになったの」
「そうなんだ・・でもなんで?」
「もっというと、もともと同じ大学だったムサビとタマビが分裂したのも、このバトルと関係してるのよ」
「えええ。ど、どうして???」
「ま、それはフィールドに入ってから話しましょ。私達も行くわよ。まずMAUカードを学内MAPにかざすの。そして『マウ!』と唱えるとバトルフィールドに入ることができるわ」
「な、なぜここでマウ・・・」
「カードをかざすだけで入れるんじゃ、間違って入ってしまう可能性があるからでしょ」
「可能性を減らすためだったらもっと長い呪文の方がいいじゃん」
「それを言っちゃ、ラピュタだって、復活の呪文が『リテ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バル・ネトリール』ってめっちゃ長いのに、唱えちゃいけないもっとも危険な滅びの呪文が『バルス』の一言でしょうに」
「ラピュタを例に出されたんじゃ・・・」
「つまりは呪文の長さよりもその強い意思があるかどうかなのよ」
「でも『マウ』って呪文、なんか間抜けじゃない?」
「とんでもない。『mau』ってエジプト語で『猫』って意味なの、知ってる?」
「えっ。エジプトとムサビって全然関係ないじゃん」
「それがすんごく関係あるのよ。家で猫を飼う習慣を作った起源はエジプトにあって、古代エジプトでは猫は神として崇拝してたんだって」
「へー」
「で、ムサビもやはり昔から猫を神様として大事に扱ってきたのね」
「だからムサビって猫が多いんだ」
「同じ神様を崇拝してるエジプトと関連をもたせるために、ムサビはエジプト語の猫である『mau』を大学の略称とし、60周年記念棟である12号館前にピラミッドを作った・・というわけ」
「でも12号館って結構新しい建物でしょ?だったらもっと前にピラミッドを作るべきじゃないの?」
「ここにも学生には知らされてない事実があるの」
「え?」
「時間の単位である12進法・60進法って古代エジプトで作られたものなの。だから60周年記念の12号館前にピラミッドを作る必要があったのよ」
「・・・なんか、ムサビが怖くなってきたんだけど・・・」
「言ったでしょ。ムサビには意味のないものはないって。『マウ』と叫ぶのは、神様を呼ぶ神聖な儀式なの。恥ずかしいことじゃないわ。わかったなら、さっさとやって!」
僕は言われた通りに学内MAPにMAUカードをかざし、「マウ」と叫んだ。
次の瞬間。真っ暗闇の世界にいた。
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この話はフィックションです。登場する人物・団体・呼称などは実在のものとはいっさい関係ありません。
ハンター×ハンター再開に向けて、この話もちょっと進行させておかないと。