リアルな美大法人企画室長の日常を
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漫画から美大を考える1
「HUNTER×HUNTER」という漫画があります。
あ、先日も書きましたね。
全く知らない方のために簡単に書くと、「ハンター」という資格を取るためにゴンという少年が「ハンター試験」を受ける・・・、というところからスタートします。(以下、「HUNTER×HUNTER」は「H×H」と略します)
ドラゴンボールにみられる「パワーのインフレ」(強い敵を倒したら、もっと強い奴がいて、修行してそいつを倒したら、そいつは●●世界では一番弱い奴で、もっと強い奴がいて、また修行して・・の繰り返し)の要素もないことはないのだけど、単純に力と放出系技で相手を倒すのではなく、心理戦やゲームのルールにのっとって戦うところがこの漫画の特徴であり魅力です。
詳しくは漫画好きな方のブログを見てください。このあたりは昔から熱く語られていますので(笑)
ここから一部ネタバレが出てきますので、それが嫌な方は読まないでください。
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で、無事にハンターライセンスを取得したゴン。これで何でもできると思ってたら、実は「ハンター試験」っていうのはあくまでも入り口であり、「念」という力が使えないと通用しないことを知ります。
私、最初にH×Hを読んだ時、「ゴンが念の存在を知らされた瞬間って、自分が美術予備校の存在を知った時の瞬間に似てるんだろうなー」と感じたんですよ。
この話も何度も書いてますが、ずっと絵がうまいと誉められ続けてきたわけです。「手羽ちゃんってイラストうまいねー」と。なんせ「人生で一番最初に挫折感を味わったエピソード」をはっきりと覚えてるくらいです。
それは、小学1年の時。学級文集のみんなのページにドラえもんを載せることになったんだけど、先生が手羽じゃなくて、もう1人の絵がうまいって言われてる子にドラえもんを描かせたこと。あれはくやしかったですね(笑)今でも思い出すだけで悔しさがこみ上げてきます。セイジロー君より・・・あ、ドラえもんを描いた子です。今でも悔しくて名前をはっきりと覚えてます・・・手羽の方が絶対にドラえもんはうまいと思ってましたから。クラスのみんなもそう思ってたはず(と思ってるだけ)
だからなのか、絵や漫画で誉められることをずっと求め続けていました。
小中高校とノートや黒板や机にイラストや漫画を描き、みんなにそれを見せ、「手羽ちゃんてうまいねー」と言われることによって、「セイジロー君より自分の方がうまいんだ」と確認していたのかもしれません。
そういう状況ですから、「これだけ周りからうまいって言われてるんだから、美大に合格できないはずはない」と思うのは必然。高校2年の終わり頃、親に「美大に行きたいと思ってる」と相談しました。
そこで「美大のための予備校」というものの存在を知ったわけです。
どういう試験があるとか美大受験の情報は全くなかったから、「え?絵が好きだったり、うまい人がいくのが美大じゃないの??そのための予備校?なにそれ??」ですよ。
そして親に連れられていくと、そこには信じられないくらい上手なデッサンを描いてる同世代が沢山いるんです。「ええええ。こういうデッサンって大学に入ってから描けるようになるじゃないの??違うの?」という驚き。
「美大はデッサンやイラストを上手にしてくれる大学」と普通は思いますよね。その美大に入るために、こういうデッサンを描けなくちゃいけないなんて。そして、自分より絵がうまい同世代が地元にこれだけいるってことは全国だと・・・・もう言葉にもなりません。
いかに自分が描いてたイラストや漫画が幼稚なレベルだったか、そして高校で「絵がうまい」と言われてることと「美大に合格できるレベル」の次元があまりにも違うことを一瞬で悟りました。
今まで住んでた世界と別次元の世界が近くにあること。その存在を知らされなければ一生素通りしてた世界であること。
まさに自分からするとゴンが念の存在を知った瞬間と同じだったのです。
続く。
補足::
書くまでもないと思ってたんですが、ちなみに小説ブログはH×Hのパクリをオマージュしたもので、「念」も6種類の系統に分かれています。
ちなみにちなみにこれも本当に説明するまでもないと思ってたんですが、第6話の最後に「作者体調不良のため、しばらく休載いたします」と書いてるけど、手羽の体調が悪いわけではなく、H×Hが作者の都合でずっと休載してるからなんです。心配された方、どうもすいません。
もうすぐH×Hが再開するんで、こっちの話も再開しないとね。