リアルな美大法人企画室長の日常を
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壮絶!美大生バトル小説ブログ3
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壮絶!美大生バトル
「めちゃくちゃアートな運命- Most and Ultimate -」
3枚目。
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これまでの話:: 1枚目 | 2枚目
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「何者って言われても・・・」
「あなた、名前はなんていったっけ?」
「・・・田中武蔵だけど・・・」
「・・・・・なるほどね・・・私の勘が正しければ・・・武蔵くん、あなたはまだ何も目覚めてないだけだわ・・・」
「目覚めるもなにも、何も知らないんだって」
「そ、そうだったわね・・・・・それにしてもこんな人が私のそばにいたなんて・・・」
「え?なんか言った?」
「ううん。なんでも。・・・・あ。バトルの話だけど、80年に1度のバトルはいわゆる本大会のようなもので、普段から学生はバトルをやって鍛えているの」
「えっ、そうなの?」
「バトルの存在を知らない人間に気づかれないよう、こっそりとね。さ、ここからが本題。どうやってバトルをやってるかというと」
「うんうん」
「と、その前にドーナツ食べてもいい?」
と言うが早いか舞美は喫茶シスコのカウンターへ走っていった。
しかし、舞美のあの驚きは一体なんだったんだろう。
確かにMAUカードの顔写真は、1発撮りの3分写真で撮ったから目をつぶってて変な顔ではあるけど、それであんなに驚くこともないだろう。CTに何って書かれてたんだ?「この人はバトルに参加する資格がありません」だったりしたら・・・僕の人生は・・・。
ん?カウンターが騒がしい。
「これは私のものです!!」
「何いうてますねん。このオナゴは!これはワイのドーナツや!」
「どうしたの?」
「あ、武蔵くん。このエセ関西弁しゃべる人が、最後の1個のドーナツを横取りするの」
「あ、またいうとる。ちゃいますって。それよりもあんたは金払ったんか?」
「財布からお金を出そうとしてたところじゃない!」
「ほな、まだあんたのもんじゃおまへんわ。取ったのはあんたが先でも、お金を払わんことには商いは成立しまへんねん。見てみ。ワイはそこにお金を置いとるやろ?ってことはワイの物ってこっちゃ」
「でも、ドトールみたいな前払い制の喫茶店の場合、関東の人はお金を払ってから席に座るけど、関西の人は先に席を確保してカウンターに並ぶって聞くわ」
「それがどないつーねん」
「つまり、あなたの理論は関西ルールじゃないってこと。先に状況を確保してからお金を払うのが本当の関西人よ。さっきから気になってたのよ。そのエセ関西弁。あなた、関西の人じゃないわね?映画か先輩に影響された大阪かぶれの人でしょ?美大によくいるわ、こういう人」
「こ、このアマ〜、どついたろか!」
「ははは。な〜んだ。つまりドーナツが最後の一個しか残ってなくて、それをどっちか食べるかでもめてるわけでしょ?そんなの簡単なことじゃない。半分にして・・(ポキっ)・・はい。こっちが舞美でこっちが関西人的な人」
「あ・・・・あ、ありがとう・・武蔵くん・・・」
「おっ。ありがとな。なんや、最初からこうすりゃ良かったんやな。はははは
なわけないわ!ボケカス!!」
「あああ。せっかくのドーナツを投げなくても・・いらないのなら最初からそういえばいいのに・・・」
「ほんま、腹立ったわ!!こうなったら、そこの女!バトルや!バトルで決着つけたる!!バトル、知っとるんやろな!?」
「もちろん(ニヤっ)」
舞美がこっちを見て笑った・・・・。
もしかして、あえてこういう状況を作ったの?
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この話はフィックションです。登場する人物・団体・呼称などは実在のものとはいっさい関係ありません。