リアルな美大法人企画室長の日常を
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教育実習の思い出17
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そしてとうとう授業発表日。
ずっと考えた結果、全く違う授業内容に差し替えました。
指導書と資料も一晩で全部作り変え。完全徹夜。
後ろに用意したイスに美術の先生3人とヨコちゃんが座って見ています。
結果はどうだったかというと・・・ボロボロでしたね(笑)
黒板に貼り付けるマグネット資料にマグネットを付け忘れてたり、時間配分を完全に間違って、時間が余るところと時間が足りないところが発生したり。なんとか強引にまとめた感じで自己採点するなら30点ぐらい。
でも、ワークショップのようなことをやったんです。簡単に書くと、たたみかけるように絵を描かせるというもの。昨日の夜、ひらめいて、ぶっつけ本番でやってみました。でもなぜかうまくいきそうな自信はあったんです。
そして、これが自分でいうのもなんだけど予想以上に成功して、・・・あの子が楽しそうにしてたってだけなんですけどね(笑)
あの子の笑顔が見れただけでもう満足。「教育実習の成果発表」としては失格なんだけど。
おじいちゃん先生は終わると何も言わずに教室を出て行きました。
すると・・・、
教育大の先生がかけよってきて、「あ、あの子が授業中に自分から手を動かして絵を描いてたのよ。こんなこと初めて!!」と職員室までの廊下で泣き出したんです。「ちょ、ちょっと。ここで泣かれると私が泣かせたみたいで、『指導女性教員をいじめる教育実習生』とかってみんなに思われちゃうじゃないですか!(汗)」と急いで職員室に。
どうやら私のペースに釣られて、どんどん絵を描いてたそうです。直線も引けない子が。
「デザインとは何か?」の答えは結局わからなかったけど、あの子をはじめ美術の楽しさをちょっとでも感じてもらえたのなら、それでいいか・・・。
そんな気持ちでその日は久しぶりにぐっすりと寝ました。
いよいよ教育実習最終日。
他の教育実習生と打ち上げの話をしながら、最後のショートホームルームへ。
「学校の裏山でたばこの吸殻が見つかったそうです」とかいつも通りのホームルームを終わらせる。ホームルームを担当してたクラスは朝と帰り、それと掃除時間ぐらいしか交流がなかったので、そんなに思い入れはなかったんです。
「このまま簡単に済ませて、打ち上げ会場のカラオケボックスに向かうべ」と最後の挨拶をしゃべろうとしたら、学級委員長が急に「みんな、起立!」と号令をかけ、挨拶をはじめました。
続く。
次回いよいよ最終回。
通りすがりの者ですが、失礼します。
「教育実習の思い出」掲載分は全て拝見しました。
嫌な記憶だったので、ずいぶんと長い間忘れていたのですが、古い記憶がよみがえってきました。
私が図工、ひいては美術が嫌いになっていった過程です。
なお、私は絵を描くのが大変下手です。というか、私に芸術的センスなど全くないものと思ってください。
図工・美術の時間、私が右往左往している間にみんな課題を完成させていく…。
私のは完成が遅くて、そのくせ出来も悪く、こんなのが掲示されるなんてたまらない…。
それだけなら、私の怠慢かもしれないし、私自身の努力でどうにかなったのかもしれない。
でもそれなら「絵の描き方ドリル」みたいなものをよこしてくれ。そのとおりにするから。
図工や美術の教科書を眺め回しても、変な絵しか載っていないし、そもそもマニュアル的なことなど習った記憶がない。
そして、酷いときになると、「ダメな絵の代表例」みたいな形で講評される。
口では自由とかなんとか言ってるのに、描いた絵にダメ出しするのはだまし討ちだ!
判断基準を公開しないで描かせてから良い悪いを論じるのはアンフェアだ!
わざわざ出来の悪い代物を晒して何が面白いんだ!
こんなもん嫌いだ!
そんなことの繰り返しで、気がついたときには美術が再起不能なくらいに嫌いになって20年弱…。
私はかなり過激な芸術不要論者になりました(主張の要旨はここでは書きませんが)。
ただ、先日、貴校で多くの作品を拝見する機会がありました。
結果、少なくとも美術が面白いものであるということについては、遂に認めざるを得なくなりました。
(本当はこれとても絶対に認めたくはないのですが…。私が培った価値観からすれば重大な変節ですから。)
しかし、だからといって、今まで私が抱いていた価値観も間違っていたとは思っていません。
貴校へお伺いするまでは魅力的な作品に出会う機会など殆どなかったのですから。
書いても埒のないお話でした。しかし、これを見ている方、特に美術の教員になりたい方に、どうか覚えておいていただきたいのは、教え方をよく推敲しないと、私のような要らぬ遠回りをする人が出てくるかもしれません。いや、私がひねくれているだけかもしれませんが…。
長文、失礼しました。武蔵野美術大学、すばらしい学校だと思います。
武蔵野美術大学の今後に期待します。
投稿者 通りすがりの者ですが : 2007年01月14日 05:16