手羽日記 09/11 -ゆかた姿-

手羽日記番外編:::


ちょうど5年前の9月のことです。


遅い夏休みを取って、清里山荘に車で来てました。4泊5日。「何かをするため」ではなく、本を読んで、それに飽きてきたら近くの温泉に行ったり、ぶらぶらと散歩したり。そういうのんびりした生活を過ごしてました。
すると、東京へ帰る前日。関東に超大型台風が上陸したのです。


東京へ帰る日。
ニュースでは「一部区間では高速道路が通行禁止になっている」と流れてました。「いけるところまで行って、後は下を通って帰るか・・・。」という考えは甘くて、2,3個目のインターで高速は通行止めに。下の道に抜けると大渋滞。時間をかければ帰れるかな、と軽い気持ちでいたら、下の道も東京へ行くための全てのルートががけ崩れで通行止めになっていたのです。打つすべなし。こういうことってあるんです。昔から雨男サクレツしてるんです。


「このへんのホテルに泊まるか・・・」と覚悟を決め、課長に電話し、明日は出勤できない旨を連絡。全く下調べせずにたどり着いた街「石和(イサワ)」。「イサワ温泉」って何かで聞いたことがあるなーぐらいの認識度でした・・・。駅前観光案内所で安いホテルを教えてもらったら、石和健康ランドを紹介してもらいました。(お風呂が20種類ぐらいあって、下手なホテルに泊まるよりは全然よかったです)


お風呂に入ってマッサージしてもらって、夕飯を大宴会場で食べて、ちょっと休憩したらお風呂に入って。まさか今日も温泉に入れるとはね・・・。ま、今はこの状況を楽しむしかないか・・・。

風呂上りに大宴会場をのぞくと、みんながプロジェクターに写された大画面を静かにじーと見てるのです。
大宴会場だからみんなもっと明るくすりゃいいのに、一体何を真剣に見てるの?
画面をのぞきみると。

それは、ビルからもうもうと煙が出てる映像でした。



911でした。

最初は「ビル火災?日本?あ、アメリカなのね。でもアメリカのビル火災でナゼみんなこんなに注目してるの?」と思ってたら、字幕で「飛行機がビルに突っ込んだ模様」と出て、話の大きさにびっくり。
でも、もちろんテロだなんてことは想像できるはずもなく、「ま、そんなことより明日は東京に帰れるかなあ・・」とそっちの方が心配でした。

なので、「911」と聞いて私が真っ先に思い浮かぶイメージは、大宴会場で浴衣姿のおじさんおばさん達がピントの甘いプロジェクター画面をじっと見てる後姿です。今でも911の話を聞くと、じっとしてる浴衣姿のおじちゃん達が頭の中に出てきます。

あれからもう5年。時がたつのが早いです。


石和健康ランドもクアアンドホテルという名前に変わってました。

投稿者:ichiro : 2006年09月11日 02:57

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