教育実習の思い出10

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そして次の日。


この中学には専任美術教員が3名いて、2名はムサビ卒、1名は某教育大学出身、というムサビ系な学校(笑)
ムサビ卒の一人は既に出てきたアベ先生(油絵卒)で、もう1人は彫刻出身の「おじいちゃん」といってもいい感じのちょっと怖めな方でした。


今日は教育大出身の先生の授業を見学。
やはり1年生でこれから寒色暖色の説明に入るところ。

そこで私は信じられないものを見てしまいました。

黒板に

赤=暖色
青=寒色

と大きく書いたのです。
ちょ、ちょっと待ってよ。「赤っぽい色=暖色」「青系=寒色」とかなら(今悩んでいるところでもあるけど)まだわかるのですが、「赤=暖色」ってどうなの?
国語や数学と同レベルに、「1+1=2」のように美術を教えているイメージ。でもこういう感覚的なものに対して「それ以外は間違い!」と断定的に説明しちゃっていいの?
「赤=暖色」も「赤っぽい色=暖色」もそんなに大きな違いはないかもしれません。
でも、当時の悩んでいる私にとって、これは大きな違いだと感じたんです。
あいまいさの中に本当の美術の面白さがあると思っていたので、こういう授業で美術を好きな人が生まれてくるのか疑問でした。


美術大学を目指してる、もしくは目指した人の1番の理由は「小さな頃から絵が好きだった」だと思いますが、「中学・高校の美術の先生(もしくは美術の授業)が好きだった。」という理由の人も少なからずいるんじゃないでしょうか。
私がそうでして、中学の美術の先生が考え方や身のこなし、服装が他教科の先生と違って(アウトロー的な感じ?)、「やっぱり東京の美大ってええなあー」と思い、美術の先生になりたくて東京の美大に進学した一人です。

こういうことがありました。
美術のテストで、時間が余ったから答案用紙の隙間に自分の得意なイラストを描いて出したら、「もう少しうまく描けるはず」というコメントと一緒に「-1」と赤文字で書かれてました。そしてその横に先生の描いたイラストも。(これがまたうまかった・・・)
イラストや「-1」とほんとに書いちゃうところなんか、「ああ、東京の美大の人はシャレがわかるんだなあ」と子供心に思ったものだし(東京と美大が関係してるかどうかはわかりませんが幼心にそう思ったの)、「東京の美大に行けば絵がうまくなるんだなあ」と思ったものです(絵がうまいから東京の美大に行けるんだけど、当時はそう思ったの)
このご時世じゃ、こういうことを先生がやったら怒っちゃうお母様方続出でしょうけどね(笑)


自分は生徒に美術の楽しさを発見してもらいたい。
そういう授業をやりたいし、そういう先生になりたい。


続く。

投稿者:ichiro : 2006年08月29日 11:27

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