ムサビコムクロニクル -1-

時々日記の中では書いていましたが、「一体、ムサビコムってなんなのよ?」という話をちゃんと書いたことがなかったですね。
話すと長くなっちゃうんですが、GWで暇な方も多いと思うので、このタイミングでじっくり書いてみます。
「たのしい中央線2」(絶賛発売中!)がちょっとだけそのくだりを書いてくれたので、その補足をこめて。


ムサビコムはムサビ公式サイトではありません
つまり大学が運営してるサイトではないのです。

そうですね。どこから話せばいいのかな。。。




2000年:::

6年くらい前まではmusabi.comドメインは学生さんが持ってまして、彼らが作ったサイトが動いてました。
「ムサビコム」で検索すると「ん?今のムサビコムとは全然違うなあ」というサイトやリンク、紹介文を見つけることができるのですが、それはその頃の名残なのです。

でも学生さんWEBのよくあるパターンで、メインメンバーが卒業すると活動が止まっちゃいました。
当時情報システム課だった私は旧ムサビコムメンバーとも交流があったのですが、ある朝、急にムサビコムが見れなくなったのです。最初は「サーバでも落ちてるのかな?」と気にせずにいたけど、それでも復活する様子がない。フシギに思ってドメイン検索をしてみると、musabi.comドメインが持ち主不在状態になってたんです。試しにmusabi.comドメインの取得申請をかけてみると、登録できそう。musabiとつくドメインをほったらかしにするわけにはいかないので、その場で登録。私のものになりました(笑)
ちなみに当時はtamabi.comドメインも空いてたので、取得してタマビさんに高く売りつけようとよからぬことも考えたり(実話・・・今はタマビさんが持ってます)


2001年::::

旧ムサビコムメンバーと話し合いをもうけました。彼らは「これから卒業生も含めたサイトを作っていくつもり。ムサビコムドメインを戻して欲しい」と懇願してきましたが、また同じようなことが起きるのはまずいので、「ドメインに関しては私が所有する。具体的なサイト企画が出来上がったら、そのとき考えよう」と結論を出しました。でも、それ以上の企画が出てくることはなく、実は1年以上「ドメインはあるけどサイトがない」状態が続きます。「うーん、せっかくのドメイン、もったいないなー。学生がやらないなら私がやればいいのかな・・」とうっすら思い出したのがこの頃です。


2002年4月:::

2002年4月にようやくmusabi.comドメインを使って何かやろうと決心し、新入生から希望者をつのり6人が集まりました。実は本当の「初代ムサビコムメンバー」はこの6人です。
「何をやるか」をこのメンバーで何度も何度も検討しましたが、なかなか前に進みません。

3つ理由があって、1つ目の理由は競合サイトとの問題
誰もが真っ先に思いつくWEB企画は「学生の交流サイト」。
ただ、誰でも書き込めるBBS形式のものは当時もいくつかあり、私は「既に存在する場をまた増やしても、ユーザーが散らばるだけでお互いに損」という考えがあるので、BBSは反対でした。「大学が公式に作ることに意味がある」という意見もありましたが、こういうのは公式じゃないところでやるから面白いんです(笑)
「直接は知らない人だけど、近くの人が書いたこと」にみんな興味を持つことはわかっていたので、認証方式BBSも考えましたが、これは技術の壁が・・。


2つ目は技術の問題。「やりたいこと」と「やれること」は違う。
学生誰もが真っ先に思いつくのが「交流サイト」なら、美大生の誰もが思いつくWEB企画は「学生作品を公開するサイト」。
これはかなり具体的なところまで話をしましたが、最終的に「誰がデータをUPするのか?」という問題が残ったんです。作者本人にUPさせる場合は、認証とデータベースを連動したシステムを作らないといけない。ムサビ生以外がUPできちゃやばいわけで。でも、それはかなり大変。簡単な方法となると、メールでどこかにポストしてもらってメンバーがUPするか・・。
いや、それよりも恐らく外部の人が興味あるのはファイン系の作品だろうけど、ファイン系の学生が写真をサーバにUPしたりメールに添付するスキルを持っているだろうか。もちろんスキルを持っている人もいるけど、特定の学生さんばかりUPすることにならないか。その何人かのために作るってどうなんだろう。
となると、メンバーが撮影に行くか・・・・うーん、なんにしろ間に人間が入ると作業が面倒。作業が面倒だといずれ更新されなくなる可能性が高い。
いや、そもそも「作品写真」といえるレベルの写真をためこんでいけるサーバってどのくらいの容量が必要なんだろう? 携帯カメラで撮影したファイン系の作品ほど、みすぼらしいものはありませんから。えーと、ある程度の画質が1枚●●KBとして、30人が100枚づつUPすると・・・サーバ費用を考えるだけでゾッとします。


3つ目は更新頻度の問題
風景写真ならともかく、そんなに毎日作品写真がUPされるはずがありません。最初はいいけど、恐らく3ヵ月後ぐらいには学生やメンバーのやる気も低下し、2週間に1度新しい作品がUPされればいい方でしょう。でも、はたしてそんなサイトをチェックしてくれる人が増えていくのだろうか。


やるからには新しい切り口で、できるだけシステムは簡単で、更新頻度も保たれる夢のような企画
「そんなのあるわけないかあ・・」と時間だけが過ぎ、なんとなく先細りな感じになっていきました。

・・・続く。



1つ目の「競合サイトの問題」はmixiなどSNSに移行が始まっています。
2つ目の「技術の問題」は、当時に比べればかなり簡単にできるようになりました。外部サービスを使えばかなり面白いことができるかもしれませんね。mixiはちょうど1と2の問題点の敷居を下げたところに勝因があるように思います。
ただ、3つ目の問題は「やる気」という精神的なものです。ここをうまく工夫しないと「みんなが『やろう!やろう!』と言ったから作ったけど・・・」なことになります。

投稿者:ichiro : 2006年05月03日 06:46

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