リアルな美大法人企画室長の日常を
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ムサビペディア::自然光
サ/タ行
■自然光(シゼンコウ)
美大で使う「自然光」という単語は「窓から入る日光」のことを表します。電気の明かりより光が柔らかく、基本的には光源が窓からの一つなため、影が決まった方向にでき、デッサンには向いてる(初心者は特に描きやすい)のです。ただし、天気や時間に左右されるのが欠点ともいえます。
一方、室内の蛍光灯をつけた光(人工光線)はいつでも同じ光で描ける反面、影方向が複数できたり、明暗が出しにくくなる(影の中の影が単調になってしまう)のが欠点。
「調子って何?」と質問をいただきました。
「ウヒョヒョ〜イ」みたいなお調子者という意味ではありません。。簡単に言ってしまえば、影をつける(明暗をつける)ことを「調子」といいます。もっと知りたい方は調べてみてください。奥深いので。
しかも、この知識も10ウン年前のものなのでかなりうろ覚えです・・・。ハイライトとかアクサン(アクソンだっけ?)といった単語もあったような。
裏ペディア
ムサビのアトリエは北側からの自然光を最大限に採り入れるための工夫がされています。特に4号館はこれでもかってぐらいの北窓です。だてに三角屋根じゃないのです(笑)
なぜ北側の光なのか。
通常の建物はできるだけ明るい光をいれるために南側から採光するようになっています。でも、南側の光(直接光)は光が強いので、デッサンを描いたり、ものを見るにはあまり向いていません。一方、北側の光は間接光・反射光なので、光が柔らかく、デッサンには最高。なので、ムサビのアトリエは北側に大きな窓がついています。そう、意外と知られていないのですが3号館も5A号館も5B号館も5C号館も6号館も、実はファイン系の建物は全てそういう造りになっています。
なんとなくファイン系の建物及び周辺の時空がなにかゆっくりしてるような、しっとりしてるような空間に感じるのは、この大きな北窓構造のせいかもしれませんね。
私の通っていた研究所も「自然光」派でした。北壁の高い位置に採光用の窓がついてて、照明をつけていいのは講評会と掃除の時だけ。夏だと夜の7時ぐらいまで描けるのに、冬だと4時半には真っ暗に。気が付かずに暗い中で描いて翌朝デッサンを見ると、「うわっ!真っ黒っ・・・」なんて経験もありました。
都会の研究所だと蛍光灯をつけて描くパターンがほとんどだと思いますが、初めて蛍光灯の下で描いたときは「なんだこの光線は!?」とかなり抵抗がありました。光がギトギトしてるし影があっちゃこっちゃに出来てるし。慣れるのに時間がかかったものです。でも、ああいう状況で教わったら、反射とか理解するの難しそうな気がするけど、みんなうまいよね(笑)
なるほど、だからか、と納得しました。4号館で行われる入試のデッサン、北側の大きい三角窓側には全くカーテンがなく、一方、南側の小窓には遮光カーテンがビシッと最初から閉められていますね。一瞬、「この遮光カーテンが閉められているのは何かの間違いではないか」と思ってしまいましたが、そこには大きい理由があったとは(今まで誰も教えてくれなかった)。解説ありがとうございます。
投稿者 テリー : 2006年02月28日 00:48
現在の入試は全て「照明を点灯状態」なので南側遮光カーテンは
あんまり関係ないといえばないんですが、余計な光をいれないと
いうことでは意味があるかな?
投稿者 広報の手羽 : 2006年02月28日 05:00
北の光はやわらかい。
投稿者 tamapi : 2008年08月11日 06:14