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2006ムサビ入試終了しました
いよいよ明日が前期日程の合格発表ですね。
総括するにはまだ早いのですが、私の感じた今年のムサビ入試を。
全体的に今年の実技試験は難しくなったというか、差がはっきりと出そうな試験が多かったかもしれません。問題文をちゃんと理解したか、もしくはどう解釈したか?基礎力がちゃんとあるか?とか。
油絵のデッサンもそうですが、日本画の着色写生は下手すると中学生が描くような風景画になりそうだけど、問題文の解釈によっては面白い絵がかける出題。
空デ・デザインはストローや片面段ボール、プラスチック板、ケント紙などで「立方体を作りなさい」という問題でしたが、「立方体を作り・・・」の部分をどう解釈するかで形が変わってきます。空デ・デザインはこれまで「弁当箱で立体を作りなさい」「少年ジャンプで立体を作りなさい」「トイレットペーパーで立体を作りなさい」と面白い試験が続いていたので、その手のものを期待されていた方には肩透かしだったかも(笑)
一方で工デ・鉛デのコンプレッサーや空デ・鉛デ・・・透明アクリルボックスにステンレス製の筒とボールと布と縄が入ってて、その周りにリンゴが配置。写りこみ地獄(笑)・・・や日本画・鉛デは、しっかりモノを捉える力がないと描きにくいモチーフだったと思います。
さて、入試も終わりましたし、これまで「後日書きます」と保留にしてきたことをぼちぼちと。
まずは「何故、各学科によって実技試験問題が違うのか?」を。
知ってる人には当然な話なのですが・・・。
「当然でしょ。だって、学科が違うんだから・・」というのは半分正解ですが、もう少し考えてみましょう(笑)
単純に「絵がうまい人」を見るための試験であれば、共通実技試験で十分です。
実技試験には「うちの学科はこんな人材が欲しい」というメッセージが隠れているのはご存知ですか?
例えば工デ・鉛デは昔から「物の重量感や質感をしっかり捉えられる人が欲しい」というメッセージが読み取れるし、空デ・デザインは「去年までとちょっとだけ方向転換をして、今年は立体をしっかり作れる人が欲しいのよ」と語ってるように見えるし、視デのここ数年は「感じる力を持ってる人」を求めているように見えます。(私の解釈なので、違ってたらすいません)
彫刻学科なんかは以前えいびっとさんが書いてますが、モロに「そういう人が欲しいんだ!!」という意図が出てますね。
それを理解できた人に点数が高くつき、合格し、そういう人たち向けの授業を用意しているわけです。
(こういうことは学力だけで選ぶ一般大学ではできないことかも)
「実技に点をつけるのはおかしい。つけられるはずがない」とよく思われていますが、求めているポイントがあるからつけられるんです。フィギュアスケートの採点みたいなものですね。荒川さん、おめでとうございます。
私は「●●学科はどういう学科なんですか?」「●●学科と●●学科の違いは?」と聞かれると、
「簡単に『その学科がどういう学科なのか?」を知る方法は、2つあります。一つは入試の実技試験問題を見ること」
と答えています。確かに似たようなことをやってる学科もありますし、そんなに大きな違いはないかもしれません。でも、実技試験問題から「その学科の方向性・やりたいこと」を知ることができるのです。
せっかく過去問を買っても、「あ、この絵、上手だなー」とか「タマビの参作の方がキレイじゃん」とかそれで終わってしまう人がいるのですが、実技試験から「求める人材」が見え、「その学科がどういう学科なのか」が見えてきます。もう少し入試問題集を読みこなしてみましょう。ムサビは「絵がうまいだけの人」は合格しにくい大学かもしれません。
求める人材が違うから、各学科によって実技問題が違う。簡単なことなのですが、これを知らない人が結構多いんですよね。
2つ目は、また今度(笑)
求める人材を見分ける試験。
その試験に合格した人たちが
能力を伸ばせる授業が用意されている。
それはきっと合格した人たちにとっては
気持ちがいい場所なんだろうな、
と思いました。
投稿者 tamapi : 2008年08月11日 06:04