リアルな美大法人企画室長の日常を
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ムサビペディア::モデルさん
マ/ヤ行
■モデルさん
モデルさんを依頼する時は、通常のモデル事務所ではなく、「美術モデル事務所」という特殊なモデル事務所にお願いしています。あまり数がなく、東京でも2つ大きな美術モデル事務所があるぐらいです。
モデルさんといってもパターンによっていくつかの種類に分けることができます。
頭像を作る時のモデルさんは「頭部モデル」「首モデル」と呼んでいます。そんなにモデルとしての訓練はいらないので、卒業生や学生さんがモデルをやることも多々あります。
洋服を着てれば「コスチュームモデル」、下着ぐらいしか着用してない場合は「セミヌード」、裸の場合は「フルヌード」。
座っていれば「座りポーズ」、モデルさんが立ってるポーズは「立ちポーズ」、寝た状態だと、そのまま「寝ポーズ」と呼びます。
もちろんヌードモデルが一番料金が高いです。1人でヌードモデルを頼むにはお金がかかってしまうので、「ヌードデッサン会をアトリエでやります。メンバー募集。○人集まれば会費●●円ぐらい」と書かれた張り紙をよくアトリエで見ますね。入試だとモデルさんが大量に必要なので、コスチュームモデルであれば、学生さんがモデルをやってる美大もあるようです。
ポーズは、20分ポーズが基本。20分間静止ポーズを取っては、5分休憩。私たちが休むわけじゃなくて、モデルさんの休憩ですね(笑) これを6本繰り返して(途中10分休憩もあります)、半日6ポーズがベースになります。東京の美大・芸大だとこのパターンでやってるはずです。もちろん例外もあるとは思いますが基本は20分ポーズだと思います。また、通常の授業では半日6ポーズですが、ムサビの場合、入試時は特別に半日7ポーズ、1日14ポーズで行っています。
裏ペディア
生きてる人間ですから、前のポーズと微妙に位置が違ったりするのは当然のこと。おばちゃんが参加してる絵画教室なんかだと、次のポーズの時に「ちょっとモデルさん、さっきとスカートのシワが違うわよ!!」と怒り出す人がいるんだとか。
私も学生時代に通信(当時は短大)スクーリングで2週間モデルをやったことがあります。
共通絵画研究室が学生男性モデルを募集してて、申し込んだら顔見せ審査の後、採用されました。
学生といえども、モデル料金がほぼ適用されるので、かなりお金はいいんですよ。当日の朝、モデル控え室に集合し先生から「じゃ、これ着て」と渡されたものは、「黒い海パン」でした。はい、小学校のプールの時間に着てたようなやつですね(笑)
実はモデル経験は研究所時代にもあります。
造形大彫刻はヌードモデルが続いていたので、造形大受験希望者の男性だけ、交代でモデルをやりあってました。小さな研究所なのでプロのモデルさんを頼むお金がない(笑) 何故「男性だけ」かと言うと、「モデルはフルヌード」というお約束があったんです。もちろん脱ぎましたよ・・・。それに比べれば海パンなんて。でも今考えてみると、よくやったもんです。受験のために受験生自らヌードモデルをやる研究所って、他にもあるのかな?
「モデルって1日同じ状態をしてればいいんだから、楽勝でしょ」と思うでしょ?
これが大変なんですよ。30人ぐらいの学生さんに見られながら20分間動いちゃいけない。しかも寝ちゃいけないし、ボーッとしててもいけない。それを半日×2週間。想像できない方は、とりあえず20分間静止の立ちポーズを4本ぐらいやってみてください。もちろんテレビやラジオは消してね。
モデルをしている時は何か考えているのかな。
投稿者 tamapi : 2008年08月08日 21:08