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[ムサビイベント12]教職の陰の部分
大学に入ったら教職をとろうかなーと気軽に考えている人を戒める、というか。
キョウショクキョウショクって毎度言い訳して忙しそうにしても許さないんだからねって思っている人を説得したい、というか。
どれくらい教職がめんどくさいものなのかということを書いておこうと思う。
そういうと怒られそうなものだが、本当にめんどくさいものなので知ってほしいということだ。
軽い気持ちではとても付き合いきれるものではないので、履修してもいいな〜とか思ったら以下を読んで覚悟して欲しい。
正直、大学生活が教職過程のために半分くらいは犠牲になる。
大学で言う「教職」とは、教員免許の取得を目指す過程のことである。
ムサビの場合、高校の美術・工芸・情報と中学の美術の教員免許が取得できる。
最も大変なのは単位だ。
大学を卒業するだけなら4年間で124単位取ればいい。
1年で31単位、半期なら約15単位。
大学は1コマ2単位の授業が大半なので、週に8コマ=1日1〜2コマ授業にくれば卒業できてしまう計算である。
やりようによっては、2年が終わるころには卒業単位をほとんど取り終えてしまうことも可能だ。
3、4年になれば、必修以外学校に来ないのはザラ。
週休5日が成り立つ構造。
大学生、恐ろしい。
しかし教職を履修すると、一気に単位数は増加することになる。
高校の情報科過程を履修している私は
教科に関する科目 20
教職に関する科目 23
教科または教職に関する科目 16
合計59単位の履修が義務づけられている。
単純計算で約60単位を教職のために費やさなければならないということだ。
卒業単位のほぼ半分。
すごい比重であることがお分かりいただけると思う。
なお、教職専用科目のうち12単位は卒業単位に認定されるし、「教科に関する科目」の一部は本来の必修科目と重複している。
だから卒業のための124単位にそのまま59単位がのっかるわけではない。
でも教職の授業はあらかじめ指定されているため、授業選択の自由は圧倒的にない。
しかも開講日時がかなり限定されていて、同じ曜日同じ時間に必要な教職教科がバッティングしているなどということも普通だ。
一般学生が好きな授業を選んでいるのを尻目に、ひたすら木曜の午後を教職関連授業に捧げ続ける4年間になったりする。
私の場合も3年いっぱいまでは時間割表に「教職」の文字が踊り、特に月曜と木曜は「教職の日」という3年間だった。
おかげさまで卒業制作6単位を残すいま、3年いっぱいまでの時点で私の取得単位は136ある。
教職関連での取り残しや今年の通常履修があるので、最終的には160単位くらいで卒業する予定だ。
教職課程の学生には、前述した週休5日とかはむろん不可能。
これでも私は随所に休みを入れたほうなので、もし一般学生と同じくらい好きに授業を取ったりバイトしたりオールで遊んだりしたい教員志望の学生が居たとしたら、相当な覚悟と機転が必要になると思う。
それはそれですごいけどね!
とにかく教職はかなりそれ専門の勉強量が増えるので、興味の薄い学生は手を出さなくて正解のものです。
下手に過程を進めようとしても手続きやらレポートやら「教育」に向き合う機会に頻繁に遭遇して、興味のない人は辛いことの連続になる。
次回、教育実習関連のめんどくささについて書きたいと思います。
これを読んだら、絶対中途半端な気持ちで教職やろうと思わなくなると思う。
==ひだり==
ひだりさま、連続すみません。
うちのデ情生は、「高校の情報の先生にしかなれないのなら、教職は取らない」と、
あっさりやめました、最初に。
工デ卒業生の方は、教職を取って、教育実習も地元の出身高校でさせてもらいました。
まあ工デでは、美術・工芸と取れましたから。
よくわからずに、「なんとなく」取ろうと思っている受験生には、
経験者の意見が一番かもしれません。
保護者だって、やったことのないことにはアドバイスもできません。
投稿者 yukihaha : 2012年06月24日 17:23
いつもブログを読んでいただいてありがとうございます。
英断です。英断です。
美術系ということでムサビに来てるのですし、美術教師になれないのに厳しい教職をやる理由はありませんね。
って書いたらなんかちょっとむなしい。
いやそんなことないぞ!情報科の重要度は意外と高いんですよ!
高校卒業しても全体的にずっと使える内容になってる教科なんて情報科くらいですから!
情報理解も現代人の常識ですから!
とりあえず教職には「おいしいとこだけ全部取り」が効かないことが伝わって幸いです…。
学生とはいえ、「資格がほしけりゃ身を削れ」、です。
投稿者 ひだり : 2012年07月05日 23:51