リアルな美大の日常を
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2012年06月のアーカイブ
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[ムサビ日常20]課題発見のSA
さあ日記久しぶりに書けたし寝るかと思って、
ふとトオルさんhttp://www.musabi.com/tooru/とザラメさんhttp://www.musabi.com/wataame/の日記を読んで、
ああ、こういうときに日記書けばいいのね!!!
と今無性にしっくり来てしまったので追加でもう一個投下しておく。
ブログというよりtwitterに近い更新スタイルですみません、集中豪雨型なんだと思います私。
木曜日に課題発見のSA(授業補佐)をしていて、1年生が
「課題発見とか意味わかんねー」
「つーか課題って何?もうなくね?世の中いらないものであふれかえってんじゃん」
と言っていて、
うわあああああああああああああ
かわいいいいいいいいいいいいい
と内心もんどり打ってました。
それやっぱり毎年やるんですね!
狙ったかのように全てのデ情1年生が毎年同じ発言するのね!!!!
去年も聞いたし、一昨年も聞いたし、その前は自分たちが言ってました。
毎年全く同じ反応で全く同じ悩み方するって面白いですね。
デ情の先生方、ほんといい課題設定ですね。
「世の中には何にも新しい発見がなさそうなこと」
に気づくのは、とても大切なこと。
自分たちが生きている環境や状況を冷静に見つめることは、なによりもまず必要な姿勢です。
その姿勢を持って、「あらゆるものが氾濫する世の中に一つの筋道を見つけ出す」のがこの課題。
改めて考えてもたいした疑問や不便なんてないものです。
でもそれは環境や状況に甘え、妥協し、目をつぶっているからこその反応。
「疑問や不便を感じる」ことこそが「クリエイティブの入り口」なのです。
それを体感するのが課題発見。
ほんと、全人類が社会に出る前に課題発見やってケンカの一つでもやっておけばいいと思うよ。
「そうは言っても無理ゲーなんですけど!」
という1年生の皆さん。
とても対応できないような難題に対応してこそ、大人ですよ。
できないできないと言ってやらないで済むのは、子どもだけです。
初めてでほとんど何もわからないとは思いますが、課題発見は本やネットや普通の授業では勉強できない、「経験」が得られる課題です。
経験こそが最も得難く、得れば何よりも力強い学びなのです。
1年生はこの日記見てないと思いますが、4年生になっても社会人になっても役に立つ課題。
あと2週間でしょうか、全力でがんばってください。
以上、ゲリラ投稿でした。
==ひだり==
[コラム10]書いとこうと思って忘れるもの
書こう書こうと思っているのに忘れる事、多い性分です。
需要があればできるだけすぐに書きますが、リクエストがなければ都合のつくときに書きます。
1、美大に行く意味
美大に行ってなんかメリットあった?という話。
4年生にもなったらさすがになんかちょっとわかってくる。
2、高校生から美大生になるには
今の時期需要があるのかわかりませんが…。
受験とか、学費とか、資質とかのはなし。
3、美大に来るなら何浪まで?
美大受験に関しては実質現役です。(自慢)
大学生の年齢としては実際5浪相当です。(笑えない)
4、就活で困らないために
3年生の10月から就職活動が始まります。
辛い辛い就職活動を笑顔で終えるためには、ああしておけばよかったなあという話。
こうして乗り越えたよ、という話も。
5、卒業制作がつらい
つらくないよ楽しいよ
と思い込むための話
いや思い込みじゃなくて実際楽しいなと感じているのであってそんな嘘は一切
でもいいアイデア思いつくまでは正直辛いです。
以上です。
リクエストがあればそのことから書きます。
なければ自分の好きなものから書いていきます。
なお、次回は教職の戒め後編を書く予定です。
なお、最近読んだ本は「墜落遺体」と「ジョジョの奇妙な冒険1〜3部」です。
ちょっと血のにおいのしない本も読みたい。
==ひだり==
[ムサビイベント12]教職の陰の部分
大学に入ったら教職をとろうかなーと気軽に考えている人を戒める、というか。
キョウショクキョウショクって毎度言い訳して忙しそうにしても許さないんだからねって思っている人を説得したい、というか。
どれくらい教職がめんどくさいものなのかということを書いておこうと思う。
そういうと怒られそうなものだが、本当にめんどくさいものなので知ってほしいということだ。
軽い気持ちではとても付き合いきれるものではないので、履修してもいいな〜とか思ったら以下を読んで覚悟して欲しい。
正直、大学生活が教職過程のために半分くらいは犠牲になる。
大学で言う「教職」とは、教員免許の取得を目指す過程のことである。
ムサビの場合、高校の美術・工芸・情報と中学の美術の教員免許が取得できる。
最も大変なのは単位だ。
大学を卒業するだけなら4年間で124単位取ればいい。
1年で31単位、半期なら約15単位。
大学は1コマ2単位の授業が大半なので、週に8コマ=1日1〜2コマ授業にくれば卒業できてしまう計算である。
やりようによっては、2年が終わるころには卒業単位をほとんど取り終えてしまうことも可能だ。
3、4年になれば、必修以外学校に来ないのはザラ。
週休5日が成り立つ構造。
大学生、恐ろしい。
しかし教職を履修すると、一気に単位数は増加することになる。
高校の情報科過程を履修している私は
教科に関する科目 20
教職に関する科目 23
教科または教職に関する科目 16
合計59単位の履修が義務づけられている。
単純計算で約60単位を教職のために費やさなければならないということだ。
卒業単位のほぼ半分。
すごい比重であることがお分かりいただけると思う。
なお、教職専用科目のうち12単位は卒業単位に認定されるし、「教科に関する科目」の一部は本来の必修科目と重複している。
だから卒業のための124単位にそのまま59単位がのっかるわけではない。
でも教職の授業はあらかじめ指定されているため、授業選択の自由は圧倒的にない。
しかも開講日時がかなり限定されていて、同じ曜日同じ時間に必要な教職教科がバッティングしているなどということも普通だ。
一般学生が好きな授業を選んでいるのを尻目に、ひたすら木曜の午後を教職関連授業に捧げ続ける4年間になったりする。
私の場合も3年いっぱいまでは時間割表に「教職」の文字が踊り、特に月曜と木曜は「教職の日」という3年間だった。
おかげさまで卒業制作6単位を残すいま、3年いっぱいまでの時点で私の取得単位は136ある。
教職関連での取り残しや今年の通常履修があるので、最終的には160単位くらいで卒業する予定だ。
教職課程の学生には、前述した週休5日とかはむろん不可能。
これでも私は随所に休みを入れたほうなので、もし一般学生と同じくらい好きに授業を取ったりバイトしたりオールで遊んだりしたい教員志望の学生が居たとしたら、相当な覚悟と機転が必要になると思う。
それはそれですごいけどね!
とにかく教職はかなりそれ専門の勉強量が増えるので、興味の薄い学生は手を出さなくて正解のものです。
下手に過程を進めようとしても手続きやらレポートやら「教育」に向き合う機会に頻繁に遭遇して、興味のない人は辛いことの連続になる。
次回、教育実習関連のめんどくささについて書きたいと思います。
これを読んだら、絶対中途半端な気持ちで教職やろうと思わなくなると思う。
==ひだり==